整理収納レッスン⑨ ものの置き方を工夫すれば家事がラクになる

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家事をラクにする収納の基本は、「よく使うもの」を「使う場所の近く」に「出し入れしやすいように」置くことです。ものの置き場所や収納を工夫することで、無駄な移動やかかる手間と時間が減ります。

ものの置き方の工夫
目次

使用頻度によってものの置き場所を決める

ものは「普段使うもの」と「普段使わないもの(思い出品・ストック品など)」に分けられます。

普段使うものの中でも、

  • 毎日何回も使うもの
  • 1日1回使うもの
  • 2~3日に1回使うもの

……というように、使用頻度には差があります。

極端な例ですが、あまり使わないものが机の上に出ていて、毎日何度も使うものが引き出しの奥のほうにしまってあったら、毎回取り出すのもしまうのも面倒で仕方ないですよね。

使用頻度を考えて、よく使うものから優先的に便利な場所に置いていくと家事がラクになります。

よく使うものを便利な場所に置く

反対に、季節用品や冠婚葬祭用品、思い出の品など、普段使わないものは便利な場所におく必要はありません。便利な場所(一等地)は普段よく使うものに譲りましょう。

必要なときに取り出すことができればよいので、押し入れやクローゼットの奥など、少し不便な場所にしまい込んでもOKです。ただ、行方不明にならないようにだけ気を付けましょう。

カジコレ編集部

冠婚葬祭用品、思い出の品、それぞれまとめて置いておくと迷子になりません。

普段使わないものを別の場所に置くことで、生活空間のものが少なくなりスッキリ暮らせます。

使わないものでリビングの引き出しが埋まって、普段リビングで使うものが入らず、出しっぱなしになっている……。そんな散らかる原因も解消できますよ。

よく使うものは「使う場所の近く」に収納する

使う場所のすぐ近くに収納場所をつくる」のが使いやすい収納のポイントです。使いたいときにサッと手に取れ、サッと戻せれば、余分な移動をする必要がなく、家事がラクになります。

洗濯機上の収納
洗濯乾燥機の上にタオル置き場をつくり、取り出した瞬間に丸めて収納している。

基本的には、目的が同じもの、同時に使うものはいっしょに置くこと。場所ごとに「ここで誰が・何をするのか」「その行為には何と何が必要か」を考えて収納を作ります。

例えば、洗濯機の近くには洗剤や洗濯ネットなど洗濯をするときに使うものを。そこで洗い終わった服をハンガーにかけるなら、ハンガーや洗濯ピンチハンガーも置いておくと便利でしょう。

カジコレ編集部

「ここにこれがあれば便利だな」と感じるものがそこにある状態がベスト!

使う場所から3歩を目指す

よく使うものは、作業をする場所の近くに集めます。収納に合わせて行動するのではなく、自分の行動に合わせて収納を決めるのがポイントです。

掃除機を吊るす
通路に掃除道具を吊るして、出し入れのめんどくささを無くすと、掃除をしやすくなった。

カジコレ編集部スタッフは、以前は掃除機をリビングの隅にある収納庫の中にしまっていました。通路には収納庫がなかったからです。

しかし、よく掃除機を使う場所である通路の壁にフックを取り付け、掃除機を吊るして収納できるようにしたら、ほこりが気になったらサッと手に取れるようになりました。

「ここに置くのが当たり前」「ここには収納スペースがないから」と思い込まず、柔軟に考えて、そのものをよく使う場所から3歩以内に置くことを目指しましょう。

調理器具やキッチンツールはキッチンに置くのは当然としても、もう少し踏み込んで、「キッチンのどの場所で使うか」を考えると、より効率的です。

例えば、コンロで使うフライパンはコンロ下に、シンクで使うことが多いボウルやざるはシンク下に収納する。調理中に使うことが多いフライ返しやお玉はコンロの横に吊るす収納を作る、など。

仕事道具をワゴンに入れて移動させる

使う場所の近くに収納がない場合は、キャスター付きワゴンを活用し、その作業をするときに使うものを持ってくるようにするのもひとつの方法です。

ダイニングテーブルでときどき仕事をする、手芸をする……。そんな人は、仕事に使う道具、手芸に使う道具をワゴンにひとまとめにしておき、使うときにはそこに収納がある状態にすればOK。

柔軟に考えることで収納のアイデアが広がり、自分なりの使いやすい収納場所を決められます。

複数の場所で使うものは、それぞれの場所に置く

「使う場所のすぐ近くに収納場所をつくる」のが使いやすい収納のポイントと書きましたが、複数の場所で使うものであれば、複数個用意してそれぞれの場所に置くと便利です。

例えば、リビングでも玄関でもハサミを使うなら、両方にハサミを置くようにします。そうすれば毎回わざわざ取りに行く必要もなく、戻すのも簡単です。

外出時に持っていくものは玄関に置く

外出するときに持っていくもの(鍵、定期券、ハンカチなど)を玄関にまとめて置いておくと、毎回あちこちから集めなくて済むのでラクです。さらに、忘れ物もしにくくなります。

外出時に持って行くものをまとめておく
カジコレ編集部

ポケットティッシュ、マスク、エコバッグなど、靴を履いてから気づいて取りに戻るのは面倒だけど、全部セットにして玄関に置けば◎

よく使うものは「出し入れしやすいように」置く

よく使うものは「使う場所の近く」に収納しましょうと書きましたが、もうひとつ、大切なポイントがあります。それは、よく使うものは「出し入れしやすいように」置くことです。

食器棚を思い浮かべてもらえば分かると思いますが、例えば毎日使う茶碗やお皿が奥にあり、出番の少ない来客用のカップ&ソーサーが手前にあったら、毎回の出し入れが面倒ですよね。

その置き方だと、茶碗やお皿を出し入れするたびにカップ&ソーサーをどかさなきゃいけなくて面倒すぎるよ。

基本的に、よく使うものは手前に、あまり使わないものは奥に置くようにします。

それ以外にも、「使いやすい高さに置く」「少ないアクション数で済むように置く」「余裕を残したゆとり収納を心がける」などの工夫で、よりものの出し入れがしやすくなり、効率的です。

使いやすい高さに置く

立ったまま手が届く範囲が、出し入れしやすい高さです。踏み台を持ってこないと取れない高い場所や、しゃがまないと取れない低い場所には、あまり使わないものを入れておきましょう。

そして、同じ高さであれば、奥より手前の方が出し入れしやすくなります。

引き出しの場合は、よく使うものを手前に、あまり使わないものを奥にしまうと良いです。そうすれば、よく使うものを出し入れするときは少し引き出すだけで済みます。

場所ごとの出し入れしやすさ
身長で「使いやすい場所」は変わる

身長180cmの人と150cmの人では手の届く範囲が違うので、出し入れしやすい高さも変わります。子どもは目線の高さまでが便利。「誰が使うのか」も考えて収納場所を決めましょう。

軽いものは上、重いものは下

キャスター付きボックスで収納する

よく使うものは立ったまま手が届く範囲に置き、あまり使わないものは上部か下部に置きますが、上か下かはものの重さで決めると良いでしょう。

上の方(高いところ)に重いものを置くのは大変ですし、地震の際の落下も懸念されるからです。

収納スペースの最下段や押し入れの下段に重いものを置くときは、キャスター付きの収納を使うと取り出しやすくなります。

扉の位置や開き方にも注意

食器棚などは、扉が邪魔しない側によく使う食器を置くと出し入れがしやすいです。一般的に右利きの人は右側の扉が開けやすく、左利きの人は左側が開けやすいと言われます。

家具の配置もありますが、スムーズに開けられる側によく使うものを置き、少し開けにくいほうに使用頻度の低いものを置くのが合理的です。

スライド式扉の場合は、中央付近が出し入れしにくいので、よく使うものは端の方に置きます。

少ないアクション数で済むように置く

使いやすい高さであったとしても、毎日使うテレビのリモコンが引き出しの中のふた付きボックスの中にあったら、出し入れが面倒ですよね。

よく使うものは、なるべく少ないアクション数で出し入れできるように置くと効率的です。

「引き出しを開けたらそこにある」「目の前に吊るしてある」ならワンアクションで取れますね。

よく使うものをすぐに手に取れるように吊るして収納する方法は以下の記事で紹介しています。

余裕を残したゆとり収納を心がける

ものを入れるのは収納スペースの7~8割にすると、取り出しやすく、戻しやすいです。

ぎゅうぎゅうに詰まった食器棚や本棚は、もうそれ以上ものが入りません。入らないから、ついそのへんに出しっぱなしになって、散らかってしまうのです。

さらに、収納スペースにギュッとものが詰まっていると、何が入っているかわかりにくく、必要なものが取り出しにくくなります。家族にも「どこに・何があるか」が伝わりにくいです。

収納スペースにはものを詰め込まず、2~3割の余裕を残すようにしましょう。


この記事では、よく使うものを使う場所の近くに出し入れしやすいように置くことで、無駄な移動や手間が減って家事がラクになる、と解説しました。

続けて、汚れにくい&掃除しやすい部屋のつくり方について解説します。

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参考書籍
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この記事を書いた人

時短家事アドバイザーと共働き主婦チームがつくるWEBメディア。仕事が好きで「家事の優先順位が低い主婦」だった編集長の、掃除を9割やめても「キレイな部屋で過ごせるようになったしかけ」をはじめ、優秀な時短グッズ・お掃除ノウハウ・整理収納術(片づけ)・家事代行やハウスクリーニングサービスについて発信している。これまでに実践した家事効率化の専門書は200冊超。

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