掃除の手間と時間を減らすには、ものを減らす、汚れやすい場所にものを置かない、水回りのものを吊るす、汚れにくい道具を使うなどの工夫が有効です。
ラクにキレイな状態を保つには、掃除用具を使う場所の近くに置き「取りかかる時の面倒くさい気持ち」を減らし、何かの「ついで」に掃除ができる状態をつくります。これで数分の掃除でキレイを取り戻せるようになります。
掃除をしなくて済む環境の作り方
ものがたくさん置いてあって、掃除をするたびにどかさないといけないとしたら、面倒くさいのは当たり前です。
生活していれば家が汚れるのは当然ですが、工夫しだいで汚れは減らせます。掃除にかかる手間と時間を減らしたいなら、なるべく掃除をしなくて済む環境を作るのが近道です。
続けて、その環境を作る方法を紹介します。
できるだけ、ものを減らす
掃除をラクにしようと思ったら、ものはできるだけ減らしましょう。ものが多いと、掃除のたびにどかさないといけませんし、もの自体も汚れるので掃除の手間が増えてしまいます。
例えば、キッチンのシンクの三角コーナーをなくして、調理のときだけポリ袋ホルダーを使えば、三角コーナーのぬめり落としの必要はありません。シンク自体もきれいに保ちやすいです。
洗った食器を置くための水切りカゴを撤去して、お皿を洗うときだけ吸水力のあるタオルを広げてその上に置く方法もあります。
キッチンマットやトイレマットはそもそも置かないようにすれば、思い立ったらすぐにフローリングワイパーでサッと掃除ができますし、マット自体を洗う必要もありません。
汚れやすい場所にものを置かない
なるべくものを減らしても、もちろん必要なものはあります。必要なものを置くときも、汚れがつきやすい場所ではなく、汚れがつきにくい場所に置くようにすると掃除がラクです。
例えば、コンロの近くに置いた調理器具スタンドや調味料の容器は、気づくとすぐにベタベタ油っぽくなっていて、洗うのが面倒なもの。しかし、引き出しの中に置けば汚れはつきません。
コンロまわりや作業台の上にものを置かないようにすれば、もの自体の汚れも防げて、拭き掃除も簡単です。
水回りのものを吊るす・浮かす
水回りのものは吊るす・浮かすようにすれば、汚れもつきにくく、掃除がラクです。
上で「汚れやすい場所にものを置かない」と書きましたが、バスルームは湿気が多くカビやぬめりが発生しやすいとはいえ、お風呂のものをすべて外に置くと毎回の持ち運びが面倒ですよね。
水回りのものは吊るす・浮かすなど、最初から汚れにくい置き方をすると掃除がラクです。
例えば、お風呂場の床にシャンプーのボトルを直置きすると底がヌメヌメして汚れやすいですが、浮かせて収納すればぬめりません。また、床にボトルがないことで掃除もラクになります。
汚れにくいアイテムに替える
毎回「掃除が面倒だな」と思うものは、汚れにくいアイテムに替えることで、掃除がぐっとラクになります。
例えば、浴室の排水口のゴミ受けは、プラスチック製のものはぬめりやすく、網目に汚れが絡んで掃除がしにくいですが、ステンレス製のパンチングタイプに替えれば、汚れがつきにくいです。
洗面台の排水口の栓の構造が複雑でヌルヌル汚れがつきやすいなら、シンプルな形状のものに替えれば解決します。
「壊れてないのに(まだ使えるのに)買い替えるなんてもったいない!」と思うかもしれません。でも、替えることで今後ずっと面倒な掃除から解放されるなら、安いものではないでしょうか。
お風呂の排水口のふたは外しておくと乾きやすいし、ふたの取り外しをせずにティッシュでサッと髪の毛を取るだけで済みます。
あらかじめ汚れない工夫をする
ついてしまった汚れを落とすより、あらかじめ汚れがつかない工夫をするほうがずっとラクです。
例えば、ガスコンロのグリルの排気口(メッシュ部分)に飛び散った油汚れの掃除は面倒ですが、アルミホイルでカバーをしておけば、取り換えるだけで済みます。
油汚れでギトギトになった換気扇の中を掃除するよりも、フィルターを取り付けて、汚れてきたら取り換えるようにすれば手軽です。同じく油汚れが付着しやすい冷蔵庫の上には大きめのゴミ袋をのせておけば本体はきれいなまま。
冷蔵庫の野菜室を紙袋で仕切って、そこに野菜を入れるようにすれば、泥や葉が落ちて庫内を汚すことがありません。
「汚れたら掃除する」が当たり前だと思ってたけど、ちょっとの工夫で汚れを予防できるんだ!
掃除の「面倒くさい」をなくす
人間は「面倒くさいこと」を続けられません。掃除が億劫になるのも「面倒くさい」から。
掃除をできるだけラクにしたいなら「面倒くさい」をなくすことがポイントです。できるだけワンアクションで掃除ができるようにしておけば、一日の掃除時間はごくわずかで済みます。
掃除用具を使う場所の近くに置く
掃除の「面倒くさい」をなくすには、掃除道具を汚れが発生する場所の近くに置くこと。ワンアクションで取れるようにしておくと、掃除のハードルがぐっと下がり、汚れを見つけた瞬間にサッと行動できます。
- ワークスペースにはほこり取りを置いておく
- ダイニングテーブルにはティッシュ・ウェットティッシュを置いておく
- お風呂の排水口の髪の毛を取るためにすぐ外にビニール袋を置いておく
- 洗面台のすぐ取れる位置にスポンジを吊るしておく
など「ここにこれがあったらいいのに!」を叶えていくと、掃除の面倒くささがなくなります。
使い捨ての掃除道具を選ぶ
使い捨ての掃除道具を選べば、掃除道具の後処理から解放されます。台拭きをやめて使い捨ての除菌シートにすれば、拭き取ったあとは捨てるだけ。衛生面も安心です。
- ふきんをやめてペーパータオルにする
- 古いタオルを切ってウエスにしておき、雑巾代わりに使って1回で捨てる
- 従来型のトイレブラシをやめて流せるトイレブラシやトイレのお掃除シートにする
こうした方法を実践して、道具の後処理をなくすと、掃除の「面倒くさい」は半減します。
掃除のじゃまにならない配置をする
掃除をしながらいちいちものをどかすのはとても面倒くさいもの。掃除をしやすくするためには「床にものを置かない」ことがポイントです。
さらに、家具やゴミ箱などのものを置くときに掃除のじゃまにならない配置を意識するだけでも、日々の掃除の手間を減らせます。
- 家具をぴったり壁につけずフローリングワイパーが入る隙間を残す
- ゴミ箱をキャスター付きにしてラクに動かせるようにする
- コード類を床に置かず、壁に貼り付けるなどして浮かせる
など、ものをどかさなくていいようにする、それが無理なものは動かしやすくすることで、すぐに床の掃除ができます。掃除機がけもフローリングワイパーがけもあっという間に完了です。
汚れはすぐに取り除き、ためこまない
汚れは、付いてから時間が経つほど落としにくくなります。コンロに飛び散った油汚れも、まだコンロが温かいうちならサッと拭き取るだけ。でも、時間が経ってこびりついてしまったら、簡単には落とせません。
なるべくラクにきれいな状態を保ちたいなら、こまめに汚れを落とし、手強い汚れにしないこと。毎日掃除をするのは面倒に感じるかもしれませんが、軽い汚れは簡単に落ちるので、一回の掃除にかかる時間は短くて済みます。
「ついで掃除」を習慣にする
「入浴のついで」「洗顔のついで」にその場所をちょこっと掃除する……。そんな「ついで掃除」を日々の習慣にすれば、「よし、掃除するぞ!」とわざわざ重い腰を上げる必要がなくなります。
- 洗面したら、顔を拭いたタオルで洗面台の水気を拭き取る
- お風呂の床や壁は入浴のついでにスポンジで軽くこする
- お風呂を出るときに排水口の髪の毛をティッシュで取る
掃除を生活の中に組み込み、「ついで掃除」を習慣にすると、手強い汚れに対抗する必要がなくなます。
気になったときにこまめに掃除する
コンロの油汚れの拭き取りなどは、汚れを頑固にしないために毎日(もしくは使うたびに)行うのが良いですが、以下は毎日ではなくても気になったときに掃除するようにしましょう。
- リビング掃除(リビングの床掃除、ドアノブやスイッチの掃除)
- 玄関掃除(ほこりを掃き出す、タイルブラシで泥汚れを落とす)
- トイレ掃除(塩素系漂白剤を使う、使い捨て手袋+流せるトイレブラシの先で掃除)
- 洗濯機(塩素系クリーナーで洗濯槽の除菌)
- 家全体の掃除(窓・網戸・サッシ掃除、壁の汚れ落とし、エアコンのフィルター掃除)
どんな汚れもためこむと頑固になって落とすのが大変になります。気になったときにこまめに掃除するようにしておけば、年末の大掃除で大変な思いをすることもなくなりますよ。
定期的にすべきことはメモしておく
洗濯機のフィルター交換など、頻度は低いものの、定期的にやらないといけないことは、「いつ・何をするか」をメモにして貼っておきましょう。ラベルに書いて本体に貼っておくのも手です。
うっかり汚れをためこんでしまうのを防げますし、やるべきことを家族で共有でき家事シェアもはかどります。
おそうじロボットを活用する
ルンバ、ブラーバ、ILIFEといったおそうじロボットは、床掃除のストレスをなくしてくれる優秀アイテムです。
自分がでかけている間にロボットが掃除をしてくれて、帰宅したら毎日ほこりのない部屋が待っている……「こんなに掃除をラクになるならもっと早く買えばよかった!」という声も多いです。
ロボット掃除機は高く感じるかもしれませんが、日割りで考えると決して高くはありません。例えば4万円のおそうじロボットを5年間使ったら、1日あたりの費用はわずか22円。1ヶ月あたり660円程度なので、パートタイムの賃金でも十分に回収できます。
初期投資はいりますが、長い目でみれば掃除の時間とストレスを大幅に軽減できます。もはや、「おそうじロボットなんて贅沢品」という時代ではないのです。
汚れの性質に合った方法で掃除する
手間をかけずラクに掃除するためには、汚れの性質を知り、合った洗剤を選ぶのがポイントです。
汚れの性質に合わない洗剤を使うと、がんばってこすったのにあまりきれいにならない…なんて残念な結果になりかねません。以下記事では、日常でつく汚れを効果的に落とせる洗剤はどれなのかを具体的に紹介しています。
優秀な掃除道具を使う
ラク家事に直結する掃除道具・スティッククリーナー・ロボット掃除機を使うのも、掃除を効率化する上で大きく役立ちます。
以下記事では、効率的に掃除ができる・使い捨てできる・吊るして保管できるなど、時短とストレス減を両方叶えるアイテムを集めて紹介しています。
家事代行などのサービスを利用する
忙しくて掃除をする余裕がないときや、手に負えない頑固汚れをなんとかしたいときは、家事代行などのサービスを利用するのも一つの方法です。
普段の掃除を代わりにやってくれる「家事代行サービス」や、プロがキッチン&換気扇、浴室&トイレなどを徹底的にきれいにしてくれる「ハウスクリーニングサービス」などがあります。
「家事代行なんて一部のお金持ちが利用するもの」というイメージがあるかもしれませんが、意外とお手頃価格で利用でき、「週に1回、1時間だけお願いする」なども可能です。