ギトギトの油汚れや水垢などの頑固な汚れは、「汚れの性質にあった洗剤」「汚れが落ちやすい温度」「時間」「物理的な力」の4つを組み合わせるとラクに落とせます。
汚れをためないことが大切
この記事では「汚れをラクに落とす方法」を紹介しますが、どんな汚れでも時間が経つほど落としにくくなるので、とにかく汚れをためないことが一番大切です。
ギトギトになったコンロの油汚れは落とすのが大変ですが、飛んだばかりの油汚れは水拭きするだけでも落とせます。軽いうちに落として汚れをためないことが、ラクに落とすポイントです。
そうは言っても、すでに頑固な汚れになっちゃってるんだよね…
すでに汚れがついてしまっているなら、以下で紹介する「汚れを落とすための4要素」を使い、まずは落としましょう。
汚れを落とすための4つの要素
汚れを落とすには、「洗剤」「温度」「時間」「物理的な力」の4つの要素があります。
- 汚れの性質にあった洗剤を使う
- 汚れが落ちやすい温度にする
- 洗剤をつけたら時間を置く
- 物理的な力を加える(こする)
軽い汚れなら1つの要素だけで落とせますが、頑固な汚れは複数の要素を組み合わせると相乗効果で落ちやすくなります。
例えば、油でギトギトの換気扇を物理的な力だけで落とそうとすると大変です。でも、オキシクリーン(過炭酸ナトリウム)を溶かしたお湯に長時間つけ置きすれば、ラクにするっと落とせます。
要素の1つに「洗剤」ってあるけど、どんな洗剤を使ったらいいのかな?
4つの要素の中でいちばん選択肢が多く、迷いやすいのが「洗剤」でしょう。汚れの性質にあった洗剤を使うことは、ラクに汚れを落とすための重要なポイントです。
汚れの性質にあった洗剤を使う
汚れの種類は、大きく分けると以下の4つ。
- あぶら汚れ
- 水垢汚れ
- カビ汚れ
- ほこりや砂など
掃除する場所がどこなのかではなく、落としたい汚れがどの種類の汚れなのかを見極めて、それに合った洗剤を使うのが良いです。
ほこりや砂などは洗剤がいらない(ほうきや掃除機などで集めるだけ)なので、それ以外の3つ(あぶら汚れ・水垢汚れ・カビ汚れ)について、汚れの種類とそれに合った洗剤をまとめました。
あぶら汚れ | 水垢汚れ | カビ汚れ | |
クエン酸 | |||
重曹 | 研磨剤として使う | ||
セスキ炭酸ソーダ | |||
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤) | |||
アルカリ電解水 | |||
アルコール | 漂白はできない | ||
中性洗剤(界面活性剤) | キレート剤・水軟化剤の入っているもの | ||
塩素系漂白剤 | |||
油汚れの落とし方を見る | 水垢の落とし方を見る | カビの落とし方を見る |
あぶら汚れ
キッチンの油汚れ、手あかなどの皮脂汚れ、お風呂の湯垢、タバコのヤニなどのあぶら汚れを落とせるのは、以下のような洗剤です。
- アルカリ性の洗剤
- 界面活性剤の入った洗剤(中性洗剤など)
- アルコール(消毒用エタノール)
アルカリ性の洗剤には、重曹・セスキ炭酸ソーダ・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)などがあります。市販の商品では、オキシクリーン・マジックリンなどがアルカリ性です。
水垢汚れ
蛇口の水垢・鏡のうろこ汚れなどの水垢汚れを落とせるのは、以下のような洗剤です。
- 酸性の洗剤
- 水軟化剤・金属封鎖材(キレート剤)が配合された洗剤
トイレ洗剤のサンポールも酸性洗剤ですが、かなり強い酸なので、正しい用途以外で使うことはおすすめしません。
メーカーのホームページでも注意喚起されています。
近年、サンポールを用途外の目的で使用している動画や記事などがWEB上で見られます。これは、タイルや樹脂、金属・大理石等の素材をいためたり変質する可能性もある間違った使用法です。
キンチョーHPより
当社では推奨できないばかりか、安全性も保障できません。
絶対に真似をされないようにお願いします。
カビ汚れ
黒カビ・ピンクぬめりなどのカビ汚れを落とせるのは、以下のような洗剤です。
- 塩素系漂白剤
- 酸素系漂白剤
- アルコール(消毒用エタノール)
ゴムパッキンなどについた根が深いカビを簡単に落としたいなら「塩素系漂白剤」がおすすめ。
アルコールは殺菌できますが、漂白はできません。カビの色素が残ってしまっているなら塩素系漂白剤を使うほうが良いです。
汚れが落ちやすい温度にする
お肉を焼いたあとにフライパンに残った脂が白く固まってしまったとき、水では落とせませんが、お湯を使うとラクに落とせますよね。それと同じで、油汚れは温度が高い方が落ちやすいです。
換気扇の掃除も、気温の高い夏場は汚れもゆるんでいるので、冬場よりもラクに落とせます。そう考えると、大掃除は年末ではなく、ゴールデンウィークや夏休みに行うとよいかもしれません。
水よりお湯、冬より夏のほうが落ちやすいってことね!
洗剤をつけたら時間を置く
洗剤が汚れを分解するには、ある程度の時間が必要です。すぐに落とそうとせず、時間をおくことでラクに取れるようになります。
「クエン酸パック」や「オキシ漬け」などは、時間をかけることで、それ以外の要素(例えばゴシゴシこする「物理的な力」)が少なくてもラクに汚れを落とせる方法です。
物理的な力を加える
洗剤の力だけでなく、物理的にこすり落とす力も汚れを落とすには有効です。例えば、軽い水垢なら、洗剤を使わなくても、クロスで拭くだけで取れます。
クロスや雑巾で拭くよりも、ブラシやメラミンスポンジでこすったり、研磨剤(クレンザー)を使ったりするほうが物理的な力(研磨力)は強いです。
しかし、硬いもので、柔らかいものを磨くと傷がつく場合があるので注意しましょう。研磨剤(研磨するもの)と素材(研磨されるもの)の硬さの目安を表にしたので参考にしてください。
例えばメラミンスポンジで蛇口を磨くのはOKだけど、プラスチックを磨くと細かい傷が付いちゃう、ってことね。
まとめ|頑固な汚れは合わせ技で落とす
冒頭に書いたように、ラクに落とすには「汚れをためない」ことがいちばんです。
でも、すでに頑固な汚れがついてしまっているなら、「洗剤」「温度」「時間」「物理的な力」の4つの要素を考えて、足りないところを補うことで、ラクに汚れを落とせます。
例えば……
- 油汚れを水ではなくお湯で洗うようする
- 洗剤をつけてすぐ洗っていたのを、洗剤をつけてから時間を置くようする
- こびりついた汚れをいきなりこすって落とすのではなく、洗剤で汚れを浮かせてからこする
- お風呂の残り湯に洗剤と風呂椅子や浴室小物を一晩つけ置きする
頑固な汚れも4つの要素を組み合わせた「合わせ技」なら、驚くほどラクに落とせます。
落とすのは大変と思っていた汚れが、つけ置きでスルリと落ちると感激です!
次の記事では、なるべくラクにきれいな状態を保つための「汚れがつかない工夫」について紹介します。