重曹は、水に溶かして重曹水スプレーとして油汚れや皮脂汚れを落としたり、つけ置き洗いや煮洗いをしたりできます。直接汚れに振りかけたり、ペースト状にしたりして、クレンザーとして使うことも可能です。生ごみや靴箱の消臭にも使えます。

重曹は酸性の汚れを落とすのが得意
ナチュラル洗剤として使われる重曹(炭酸水素ナトリウム)は、弱アルカリ性で、キッチンの油汚れや、スイッチ・ドアノブの皮脂汚れなど酸性の汚れを落とすのに有効です。
粒子が細かいので磨き粉(研磨剤)として焦げ落としとしても重宝します。使うこともできます。

重曹は英語で「ベーキングソーダ」です。食品添加物なので、冷蔵庫内や電子レンジ庫内など、食品に触れる可能性がある場所にも安心して使えます。
ただし、畳・白木などの天然素材、銅・アルミ製品には使えません。これは、重曹に限らず、アルカリ洗剤全般に共通して言えます。
重曹はよく使わるアルカリ性のナチュラル洗剤(重曹・セスキ炭酸ソーダ・過炭酸ナトリウム)の中で、いちばんアルカリ度が低いです。つまり、酸性の汚れを落とす力は最も弱いものの、いちばん手肌に優しいと言えます。

重曹はドラッグストアや100円ショップで安価で手に入るので、家に置いておくと便利です。
この記事では、重曹を掃除に使う方法を分かりやすく解説します。
重曹を掃除に使う方法
重曹は細かい粒子の白い粉末で、いろいろな使い方ができます。
- 水に溶かして使う
- 研磨剤として使う

掃除に使うときの代表的な方法をひとつずつ順番に説明します。
重曹を水に溶かして使う

重曹を水に溶かして、重曹水にして使います。水には溶けにくいので、40℃くらいのお湯に溶かすとよいでしょう。
重曹水スプレーとして使う
重曹水スプレーとして使う場合、水100mlに対して、重曹小さじ1杯が目安です。目安なので、正確にこの通りでなくても構いません。

この重曹水を市販のスプレーボトルに入れれば、重曹水スプレーとして、汚れに直接吹き付けて使えます。
しかし、重曹は水に溶けにくいので、カジコレ編集部としてはスプレーは積極的にはおすすめしません。

重曹水はアルカリ性なので、キッチンのコンロまわりの油汚れやスイッチ・ドアノブの皮脂汚れなど、酸性の汚れを落とすのに有効です。
ただし、アルカリ度が低く、酸性の汚れを落とす力は弱めなので、ひどい油汚れは落とせません。重曹水は軽めの油汚れ用と覚えておくとよいでしょう。
重曹は食品添加物として使われる物質なので、電子レンジ庫内や魚焼きグリルの庫内など、食品に触れる可能性がある場所にも安心して使えます。
電子レンジ庫内の汚れを落とす
重曹水を電子レンジの中で加熱し、蒸気で庫内の汚れをゆるめて、容器に残っているアルカリ性の重曹液をつけて拭くことで汚れがよく落ちます。

電子レンジ庫内の汚れを落とす場合、水200mlに重曹大さじ1が目安です。耐熱容器に水と重曹を入れてかき混ぜ、500Wで5分加熱し、レンジの扉を開けずにそのまま15分ほど置きます。
蒸気で汚れが浮くので、ふきんやキッチンペーパーなどに重曹水をつけて拭けば庫内の掃除は完了です。
電子レンジ庫内の掃除
耐熱容器に水200mlと重曹大さじ1を入れ、軽く混ぜる。
電子レンジに入れ、500Wで5分加熱する。庫内が蒸気でいっぱいになっていればOK。
そのまま15分ほど庫内を蒸らす。蒸気の働きで汚れが浮いて落としやすくなる。
容器に残っている重曹液をふきんやキッチンペーパーにつけて庫内を拭く。
耐熱容器の重曹水は、加熱したことでアルカリ度が高くなっています。重曹水をふきんやキッチンペーパーに含ませて絞り、拭き掃除をすると良いです。

アルカリ度が高くなっているので、さわるときは手袋をするようにしましょう。
換気扇などのつけ置き洗い
換気扇や魚焼きグリルなど、汚れがこびりついているものは重曹水につけ置きします。時間を置くことによって、こびりついた油汚れがゆるみ、落としやすくなります。
つけ置き用の重曹水は、40~50℃のお湯100mlに対して、重曹小さじ1杯が目安です。


つけ置きするものが大きく桶に入らない場合は、大きめのゴミ袋を二重にして重曹水を入れるか、シンクの排水口にラップをかぶせてフタをしてシンク自体につけ置きすると良いでしょう。


重曹でのつけ置き洗い
洗いたいものの大きさに合わせて、バケツ・2重にしたゴミ袋などを使用
水100mlに対して、重曹小さじ1が目安
汚れを洗い流す。こびりついた汚れが残っていたら、たわしや歯ブラシでこすり落とす
鍋や五徳の焦げ付きを煮洗い


重曹水は65℃以上に加熱すると発泡する性質があります。また、加熱するとアルカリ度が上がるため、頑固な汚れも落としやすくなります。
鍋や五徳の焦げ付いた汚れを落とすには、つけ置きよりも重曹水で煮洗いするのがおすすめです。


五徳など「焦げ付いた汚れを落としたいもの」が入る大きさの鍋に水を入れ、重曹を加えてから火にかけ、沸騰させます。沸騰したら10分ほど煮込み、火を止めて冷めるまで放置しましょう。



沸騰させることでアルカリ度が高くなり、汚れを落とす力が強くなります。だから、頑固な焦げ付き汚れも落としやすいんです。
アルカリ度が高くなるのは、重曹が水・二酸化炭素・炭酸ナトリウムに分解されるから。お湯が冷めてもアルカリ度が高い状態は変わりません。


手荒れを防ぐために、五徳などを取り出す際はトングを使うか、手袋をつけましょう。
また、重曹水で煮洗いするときは必ずステンレス鍋かホーロー鍋を使ってください(アルミ製の鍋は変色してしまうため)。
重曹での煮洗い
鍋の焦げ付きを取りたい場合は、そのまま水を入れる
水100mlに対して小さじ1が目安。だいたいの量でOK
※水の状態から入れましょう。沸騰したお湯に重曹を入れると、急に発泡するので危ないです
沸騰したら、10分くらい煮込む
火を止めて、冷めるまで放置
汚れを洗い流します。こびりついた汚れが残っていたら、スポンジなどでこすり落とす
お風呂小物のつけ置き
お風呂小物についた湯垢を落とすには、残り湯に重曹を入れてつけ置きします。


浴槽半分くらいの残り湯(40~50℃に温め直すとよい)に対して、重曹 約200g(1カップ)を入れて、洗面器や風呂椅子などをつけ置きします。
一晩放置したあと、スポンジでこすり洗いして、水で洗い流せば完了です。



お風呂小物の湯垢が落ちるだけじゃなく、浴槽自体もきれいになって一石二鳥!
重曹を研磨剤として使う
重曹は粒子が細かいので、直接汚れに振りかけたり、水と混ぜてペースト状にしたりして、研磨剤(クレンザー)として使えます。


シンクの水垢、コンロまわりの焦げ付きや、電子レンジ庫内のこびりついた汚れなどを落とすのに便利です。


重曹は研磨剤としては比較的やわらかいため、漆器などの柔らかいものを除いて、ほとんどのものに使えます。ただ、アルカリ性なので、アルカリに弱いアルミ製品や大理石には使えません。


- 重曹…大さじ3
- 水…大さじ1
重曹と水を3:1くらいの割合で混ぜるのが目安です。重曹を容器に入れて、少しづつ水を足していって、好みの硬さになればOK。
重曹を消臭剤として使う
重曹は、ナチュラル洗剤として掃除に使えるだけでなく、消臭剤としても使えます。生ごみの腐敗臭や靴や靴箱の臭いは酸性の臭いなので、アルカリ性の重曹で中和して消せるのです。
生ごみの消臭
アルカリ性の重曹は、生ごみから発生する悪性物質を中和することで臭いを消せます。


ごみの収集日まで生ごみを置いておくと、いやな臭いがしますよね。生ごみに含まれる水分が細菌を繁殖させるのが原因で、特に気温の高い季節は腐敗が進みやすく、臭いも強くなりがちです。
野菜くずや果物の皮などが腐ったときに発生する悪臭物質(メチルメルカプタンなど)は酸性なので、アルカリ性の重曹で中和することで臭いを消せます。やり方は、ポリ袋などに生ごみを入れた後、大さじ1杯ほどの重曹を入れて袋の口を閉じるだけです。
また、生ごみのなかでも、肉類や魚の頭や内臓、エビの殻といった魚介類から発生する悪臭物質(トリメチルアミン)はアルカリ性なので、野菜くずとは別にポリ袋に入れ、大さじ1杯ほどのクエン酸を振りかけて袋の口を閉じるとよいでしょう。



野菜くずや果物の皮などの生ごみには重曹、肉と魚の生ごみにはクエン酸と覚えておこうっと。
靴・靴箱の消臭
重曹は、靴・靴箱のイヤな臭いを消すのにも役立ちます。靴の臭いの元は、汗・皮脂・角質などの汚れと菌が混ざったものです。特に、温度と湿度が高い環境では雑菌は繁殖しやすくなります。


靴箱全体を消臭したいなら、まず靴箱を掃除して乾燥させ、空き容器に粉の重曹を入れて置きます。消臭と同時に吸湿効果もあるので一石二鳥です。重曹が固まってきたら交換しましょう。
特定の靴を消臭したい場合は、不織布製のお茶パックに重曹を詰めたものを入れておくと効果的です。



アルコールを使える素材の靴なら、アルコールスプレーを吹き付けたティッシュで靴の内側を拭くと、滅菌ができるので臭いが抑えられますよ。
重曹の代表的な製品
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名称 | 重曹 | 暮らしの重曹 | 重曹 | 重曹 | 重曹の激落ちくん泡スプレー | 重曹+アルカリ電解水クリーナー | 重曹の激落ちくんウエットシート | アルカリ電解水+重曹配合おそうじシート |
メーカー (販売店) | シャボン玉 | ミヨシ | 無印良品 | ダイソー | レック | ダイソー | レック | ダイソー |
内容量 | 680g | 600g | 300g | 360g | 400ml | 280ml | 20枚 | 25枚 |
価格※ | 495円 | 380円 | 390円 | 110円 | 520円 | 110円 | 260円 | 110円 |
100gあたりの価格 | 73円 | 63円 | 130円 | 31円 | 130円/100ml | 39円/100ml | 13円/枚 | 4.4円/枚 |
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重曹について
名称 | 重曹/炭酸水素ナトリウム/重炭酸ソーダ | |
pH | 8.2(弱アルカリ性) | |
使いみち(掃除) | ・研磨作用でこびりついた汚れを落とす ・アルカリ洗剤として、あぶら汚れを落とす ・発泡作用で汚れを浮かす | |
特徴 | ・水に溶けにくい(40℃くらいのお湯にはよく溶ける) ・加熱すると炭酸ナトリウムに変化して、アルカリ度が上がる(水溶液65℃、粉末270℃) ・酸を加えたり、加熱したりすると発泡する | |
保存方法 | 常温で保存できる。湿気を吸うと固まることがあるので、密閉容器を使うとよい | |
その他 | 食用と掃除用がある。違いは純度。掃除用は不純物が多いので食べられないが、食用を掃除に使うことはできる 畳・白木などの天然素材、銅・アルミ製品には使えない |