クレンザー(研磨材入の洗剤)、重曹、メラミンスポンジなどは、研磨の力でものの表面にこびりついた汚れを削り落とすのが得意です。
洗剤では落としにくい頑固な水垢や焦げつきも、パワフルに落としてくれます。製品により研磨材の硬さ・粒子のサイズが異なるので、素材にあったものを選ぶと傷がつきにくいです。
研磨の力で水垢や焦げ付きを落とせる
研磨が得意な汚れは、鏡や水回りの水垢、便器の頑固な汚れ、コンロ・IH・鍋の焦げ付き、カップや急須についた茶渋・コーヒ-汚れなどです。
洗剤は中和など「化学の力」で汚れをゆるめますが、クレンザーや研磨アイテムは、汚れを落とすための「物理的な力」を強化します。
そのため、ほかの洗剤では落ちなかった汚れも落とすことができる反面、正しく使わないと素材そのものも削ってしまい、傷がつく可能性があるので注意が必要です。
研磨の力で汚れを落とすアイテムの種類
研磨の力で汚れを落とすアイテムには、クレンザー、重曹、メラミンスポンジ、ダイヤモンドパッドなどがあります。
クレンザー
クレンザーは研磨材入りの洗剤です。汚れを浮かび上がらせる「界面活性剤」と、浮いた汚れを削り落とす「研磨材」が入っています。
市販のクレンザーは以下の3タイプです。
- クリームタイプ(ジフ・ホーミング・カネヨンなど)
- ペーストタイプ(ハイホームなど)
- 粉末タイプ(せっけんクレンザーなど)
商品によって使われている研磨材・配合量などが異なります。研磨材の配合量は、粉末タイプが80~90%と多く、クリーム・ペーストタイプは20~50%と少なめです。
研磨材の配合量が多いほど削る力が強く、少ないほど穏やかになります。
一般的な家庭内の汚れには、あまり硬度が高くなく、素材を削る心配の少ない、ジフクリームクレンザーやホーミングクリームクレンザーがぴったりです。安価なので、手軽に使えます。
クレンザーはすごく便利で、ほかの洗剤では落とせない汚れを落とせます。クレンザーが得意な汚れを狙い撃ちしてみてくださいね!
重曹
ナチュラル洗剤として知られる重曹は、粒子が細かく水に溶けにくいので研磨材として使えます。
直接汚れに振りかけたり、水と混ぜてペースト状にしたりして使うのが一般的です。
ただし、粒子が大きめなので、研磨に使ったあとザラザラした粒が残ってしまいます。
シンクやお風呂場であればそのまま洗い流せるのですが、コンロのように水を流せないところだと拭き取りが面倒なのがデメリットです。
重曹は研磨材としては比較的やわらかいため、漆器などの柔らかいものを除いて、ほとんどのものに使えます。ただ、アルカリ性なので、アルカリに弱いアルミ製品や大理石には使えません。
メラミンスポンジ
メラミンスポンジは、「メラミンフォーム」と呼ばれる材質でできたスポンジです。
硬い無数の網目を持った構造のため、水を含ませてこすることによって、汚れを落とせます。
洗剤を使わず、水だけで汚れを落とせるので便利です。また、クレンザーと異なり、メラミンスポンジでこすった場合はすすぎがいらないので、水で流せないもの・場所を簡単に掃除できます。
ただし、メラミンスポンジでくもり止め加工の鏡やコーティングされた床をこすると、表面のコーティングや塗装が剥がれたり、傷ついたりするので注意が必要です。
メラミンスポンジにはたっぷり水分を含ませてこするのがポイント!
水分が足りないと使用中にキシキシと音がします。
ダイヤモンド研磨スポンジ
「ウロコ取りダイヤモンド」や「ダイヤモンドパッド」などは、人工ダイヤモンドを鏡・ガラス用に独自の技術で特殊加工した高機能研磨材です。頑固な鏡のウロコ取りなどに使われます。
とても硬く、頑固な汚れを落とせる反面、素材を傷つけやすいので注意が必要です。
ほかの研磨方法でどうしても落とせないときに検討してみてください。
傷をつけないために知っておきたいこと
研磨の力で汚れを落とすアイテムは、頑固な汚れを落としやすい反面、正しく使わないと素材に傷をつけてしまう可能性があります。
大切なものに傷を付けてしまうことがないよう、研磨のしくみを知っておきましょう。
研磨材の硬さ
研磨材が硬いほど、汚れを削る力も強いですが、素材の表面を傷つける可能性も高くなります。
傷がつくかどうかは、磨くもの(研磨材)と磨かれるもの(素材)の硬さの関係で決まります。研磨材と素材の硬さを比べて、研磨材の方が硬ければ傷がつきますが、素材の方が硬ければ傷はつきません。
やわらかいクレンザーを使っていても、硬いスポンジ(研磨材入りスポンジ、金属タワシなど)でこすれば傷がつくので、スポンジの硬さにも注意が必要です。
研磨材に使われる素材と硬度は、以下の通りです。
- ダイヤモンド…10
- アルミナ系鉱物…9
- けい酸系鉱物…7
- メラミン樹脂…4
- 炭酸カルシウム系鉱物…3
- 重曹…2.5
基本的に、素材より柔らかい研磨材を使えば、傷つける心配がなく安心です。
研磨材の粒子のサイズ
硬い研磨材が使われているクレンザーが、必ずしも素材を傷つけやすいわけではありません。
研磨材の方が硬くても、粒子が細かければ、傷をつけるというより磨く感じになります。これは、目の細かい紙やすりで木材を磨いたり、爪やすりで爪を磨いて光沢を出すのと同じですね。
硬い=傷がつきやすい、ってわけでもないのね!
例えば、天然の珪華の花(湯の花)に石鹸を配合した、自然派のクレンザー「ハイホーム」は、ステンレス(硬度6)より硬い「けい酸系鉱物」(硬度7)が使われていますが、粒子が5μmと細かいので、磨くとステンレスがピカピカになります。
※コーティングされたステンレスは、コーティングが剥がれる可能性があるので注意が必要です。
「使用上の注意」を確認する
磨くもの(研磨材)と磨かれるもの(素材)の硬さの関係や、粒子の大きさについて知っておくと失敗しにくいですが、実際に使うときは製品の裏の「使用上の注意」を必ず確認しましょう。
その製品が使えるもの・使えないもの、注意などが書いてあります。
研磨の力で汚れを落とすときは、「使用上の注意」を確認して、素材が傷つくのを防ぎましょう。
クレンザーの上手な使い方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
市販の代表的なクレンザー・研磨アイテム
名称 | ジフ | ホーミング | カネヨン | ハイホーム | せっけんクレンザー | 重曹 | 激落ちくん | 鏡のダイヤモンドウロコ取り |
メーカー | ユニリーバ | 花王 | カネヨ石鹸 | 日本珪華化学工業 | シャボン玉 | シャボン玉 | レック | レック |
研磨材の種類 | カルサイト(炭酸カルシウム系鉱物) | 炭酸カルシウム系鉱物 | けい酸系鉱物 | けい酸系鉱物 | けい酸系鉱物 | 重曹 | メラミンフォーム | 人工ダイヤモンド |
研磨材の硬度※ | 3 | 3 | 7 | 7 | 5 | 2.5 | 4 | 10 |
研磨材の配合量 | 20% | 50% | 50% | 50% | 85% | 100% | ー | ー |
その他成分 | 界面活性剤(9%) | 界面活性剤(6%) | 界面活性剤(7%) | 界面活性剤(10%純石けん分) | 界面活性剤(15%純石けん分) | ー | ー | ー |
タイプ | クリーム | クリーム | クリーム | ペースト | 粉末 | 粉末 | スポンジ | パッド |
内容量 | 270ml | 400g | 550g | 400ml | 160g | 680g | 7.5×2.9×12cm | 5×3×2.5cm |
参考価格 | 185円 | 185円 | 220円 | 1,320円 | 550円 | 495円 | 100円 | 780円 |
購入する | 購入する | 購入する | 購入する | 購入する | 購入する | 購入する | 購入する |