引っ越しは家事をラクにする一大チャンスです。近い将来に引っ越しの予定があるなら、そのタイミングで「家事がラクな家づくり」をしてみませんか。
後からでも家事効率化ができないわけではありませんが、例えば、家具などは頻繁には買い替えませんし、配線の工夫などは引っ越してすぐにやってしまうのが一番無駄がありません。
「平日に溜めてしまった家事をこなすだけでせっかくの休日が終わってしまった…」なんて生活とはさよならしましょう!
引越し前は持ち物を減らす絶好の機会
引っ越し前は持ち物を減らす絶好の機会です。必要ないもの、好きでないものは処分しましょう。
「ものの減らし方・必要なものの選び方」の記事で詳しく紹介しましたが、選ぶべきは「捨てるものではなく、残すもの」。引っ越した後どんな暮らしをしていたいのかをイメージし、理想の暮らしにふさわしいものを選んで残すようにしましょう。
片づけコンサルタントのこんまりさんこと近藤麻理恵さんは、著書『人生がときめく片づけの魔法 改訂版』の中で、残すものを選ぶ基準について、以下のように述べています。
…モノを残すか捨てるか見極めるときも、「持っていて幸せかどうか」、つまり、「持っていて心がときめくかどうか」を基準にすべきなのです。
『人生がときめく片づけの魔法 改訂版』p.63より引用
捨てるものを選ぶのではなく、「お気に入りのものだけを残す」ようにするのがポイントです。
ものが少なければ維持・管理の手間が減らせ、収納にも余裕ができてものの出し入れがラクになります。新居に持っていくものはぜひとも厳選してください。引っ越しの荷物の総量も減らせますよ。
家具を買う(買い替える)なら脚付きを選ぶ
引っ越しを機に家具を買う、あるいは買い替えるのであれば、ぜひ「脚付き」の家具を検討しましょう。
脚付きの家具を選べば、動かすことなくサッと掃除機掛けやフローリングワイパーがけができます。高さ10cmほどあれば、ロボット掃除機もくぐれるので、ほこりがたまりません。
ダイニングセットを買うのであれば、アームをテーブルにひっかけて浮かせられるチェアもあります。
本棚、キッチンワゴン、ハンガーラック、ランドリーバスケットなどを買うなら、ラクに動かせて掃除がしやすいキャスター付きのものがおすすめです。
キャスターがついていると、「出し入れがしやすくなる」「使う場所にラクに持っていける」といった家事効率化の効果も期待できます。引っ越しを機に新たに家具を買う場合は、意識してみてくださいね。
キャスター付き収納でものの出し入れをしやすくする
ソファやベッド下、押し入れの奥などのスペースは、収納に有効活用できます。キャスター付きのトレイやボックスを使えば出し入れがスムーズで掃除も簡単です。
キャスターをつけると使う場所にラクに持っていける
ものを使う場所と収納場所が異なる場合は、キャスター付きのワゴンやボックスに入れたり、キャスター付きの台に載せたりすると、移動させやすいです。
いまある家具が脚付きでない場合は、底面に貼り付けて、すべるように動かせるようにする「カグスベール」という便利グッズを使うのもおすすめです。いまある椅子の足にセットできるタイプもあります。
【参考】家具が楽に移動できるカグスベール
引越し後は家事動線を意識した配置をする
毎日の家事をラク&時短するには、家の中の動線が重要です。
1階にある洗濯機で洗った洗濯物を2階のベランダに運んで干し、乾いたら取り込んでたたみ、1階のクローゼットにしまうようなケースでは、無駄な動きが多く手間と時間がかかってしまいます。
1日ではわずかな時間であっても、1か月、1年で考えたら膨大な時間を費やすことに…
引っ越し後、新居に家具やものを置く際は、家事動線を意識した配置を心掛けましょう。
- キッチンのシンク、コンロ、冷蔵庫を正三角形(ワークトライアングル)に配置
- 洗濯の「洗う・干す・しまう」の動線を短くする(洗濯機のそばに干す場所・収納場所)
- 室内にものが干せる状態にする(室内物干しユニットの設置など)
…といった工夫で、無駄な作業を減らせて、時短が叶います。
家事がラクになる収納の基本ルール
【家事がラクになる収納の基本ルール】に則って収納をすると、毎日の「面倒くさい」「時間がかかる」といったストレスを減らせ、家事の効率がよくなります。
便利な場所に収納スペースをつくると家事が効率的になる
ものを使う場所の近くに収納できれば、取り出しやすく戻しやすいです。便利な場所に収納スペースを作れば、時短ができ、家事が効率的になります。
引っ越し後の掃除がしやすい部屋作り
引っ越し直後はピカピカだった家も、生活をしていればどうしても汚れていきます。
「できれば掃除に時間をかけたくないけれど、きれいな家に住みたい」、そう思っているのなら、収納を工夫して、汚れないようなしくみ&掃除しやすいしくみを作りましょう。
引っ越し後にまずやったらいいことリストは以下の通りです。最初にやっておくと後がラクになります。
- 床にものを置かない
- 浮かせる収納にこだわる
- コードや電源タップも浮かせる
- 掃除が簡単なアイテムに置きかえる
- 汚れがつくのを防ぐ工夫をする
床にものを置かない
床にものが置かれていると、掃除のたびにどかさなくてはならず、面倒です。しかし、床に置かないようにすれば、掃除機やフローリングワイパーがけの邪魔になりません。
ラグやカーペットは必要なければ使いませんが、敷く場合は毛足の長いラグは避けましょう。厚さ2cm以下であれば、ロボット掃除機が乗り越えられます。
【関連記事】床に置いていたものを浮かせると、掃除がぐーんとラクになる
浮かせる収納にこだわる
家具などの大きなものに限らず、こまごましたものも直置きではなく、浮かせる収納を意識すると掃除がラクになります。特に、水回りのものは浮かせると汚れにくくなり、ぬめりも防げます。
いままで直接置いていた方も、引っ越しを機に「浮かせる収納」を取り入れてみてください。一度導入してしまえば、そのあとずっと掃除しやすい状態が続きます。
【関連記事】お風呂で使うものは浮かせて保管。ぬめらないから掃除がラクに!
コードや電源タップも浮かせる
コードや電源タップを直置きするのをやめ、浮かせて収納すると、掃除しやすい状態を保てます。
こうした配線関係は後からやろうと思うと家具を動かすなど大掛かりになってしまうので、引っ越ししたら最初にやっておくのがおすすめです。
- 電源タップを壁や家具に貼る
- ワイヤーネットに結束バンドで固定する
- タッセルフックを使って巻きつける
など、具体的にコードを浮かせる方法は以下の記事をご覧ください。
【関連記事】コード類や電源タップを床から浮かせると、配線のごちゃごちゃが解消できて掃除もしやすくなる
掃除が簡単なアイテムに置きかえ
排水口のゴミ受けは、純正品(プラスチック製で表と裏に細かな網目のある、ぬめりやすく掃除が大変なタイプ)をやめて、パンチングタイプに変えると掃除が驚くほどラクになります。
【関連記事】失敗しない「排水口のゴミ受け」の選び方。パンチングタイプがおすすめ
汚れがつくのを防ぐ工夫をする
引っ越しして早い段階で汚れを防ぐ工夫をしておくと、その後の掃除の手間を省けます。
例えば、キッチンではコンロの換気扇にフィルターを貼っておく、お風呂では防カビくん煙剤を使っておく、足元のコーキングに防汚テープを貼っておく、など。
フィルターやマスキングテープはやりすぎる必要はありませんが、自宅の設備の掃除のしやすさを確かめたうえで、自分が本当に汚れたら嫌な場所に設置すると良いでしょう。
「掃除をラクにする収納の工夫|汚れない&掃除しやすいしくみづくり」もあわせてご覧ください。
住宅設備はリターンの大きな投資!
最新の住宅設備はそれなりに値が張るので、「贅沢かな?」と思ってしまうかもしれません。
しかし、住宅設備はリターンの大きな投資で、一度導入すればその後ずっと家事の効率化ができ、膨大な時間を浮かせられます。ものによっては、節電、節水効果も期待できるでしょう。
例えば、新しいコンロは掃除がすごく簡単なうえ、ご飯を自動で炊けるので炊飯器が要らなくなったり、ホットケーキが焦げない温度をキープしてくれたり、煮ている間はキッチンを離れることができたりと、驚く機能が満載です。
浴室乾燥機も、洗濯物が乾くだけでなく、入浴前につけておけばポカポカのお風呂に入れ、風呂上がりに乾燥をかけておけばカビが発生しないなど、生活を快適にしてくれます。
スペックの高い住宅設備は、QOL(生活の質)を上げてくれる価値ある存在です。
引っ越しのタイミングで、「とりあえず」と価格だけ見てスペックの低いものを買ってしまうのではなく、長い目で見て、家事をラクにしてくれるものを選びましょう。
引っ越しは家事を効率化する最大のチャンスです。この機会に一生分の家事を時短できるくらい、仕組み化に取り組んでみてください。これから先、自由な時間が何時間も増えますよ。