塩素系漂白剤は「次亜塩素酸ナトリウム」を主成分とする洗剤で、カビハイター、カビキラー、キッチン泡ハイターなどの商品が有名です。
パワフルな漂白剤で、キッチン用品・冷蔵庫・排水口・お風呂・トイレ・洗濯槽など、家じゅうのカビ取り、除菌・漂白・消臭・ぬめり落としに使えます。酸性のものと混ぜないよう注意が必要です。
塩素系漂白剤の特徴と種類
ハイターやキッチン泡ハイター、カビキラーなどは、いずれも「次亜塩素酸ナトリウム」を主成分とする「塩素系漂白剤」です。
オキシクリーンなどの酵素系漂白剤よりも漂白力(汚れやしみなどの色素を化学反応によって分解させるはたらき)が強く、除菌・消臭もできます。
塩素系漂白剤には、「液体タイプ」「泡タイプ」「ジェルタイプ」の3種類があります。
- 液体タイプ:ハイター、キッチンハイターなど
- 泡タイプ:カビキラー、キッチン泡ハイター、強力カビハイターなど
- ジェルタイプ:ドメスト、カビキラージェルタイプなど
液体タイプは薄めて使用するつけ置き用です。泡タイプは汚れている部分に直接吹きつけて使用します。ジェルは密着度が高く、液だれしにくいのが特徴です。
液体タイプは希釈して使うものなので、もともとの次亜塩素酸ナトリウム濃度は高めです。
衣類用のハイター(液体)とキッチンハイター(液体)の次亜塩素酸ナトリウム濃度は同じですが、ハイターには界面活性剤が入っておらず、キッチンハイターには界面活性剤が入っています。
商品名にキッチン用・お風呂用・トイレ用とあっても、主原料が次亜塩素酸ナトリウムという点は同じです。同じタイプの塩素系漂白剤なら用途別に買いわける必要はありません。
例えば、私は泡タイプは「キッチン泡ハイター」を1つ購入し、キッチン・浴室・洗面台・トイレで利用しています。
酸性のものと混ぜないように注意
塩素系漂白剤は家じゅうのさまざまなところで使え、漂白・除菌・消臭ができるので便利ですが、使用上の注意がいくつかあります。
一番重要なのは、酸性のものと混ぜると有毒な塩素系ガスが発生するため、絶対に混ぜないこと。
そして、使うときは必ず窓を開けて換気をし、皮膚につかないようにゴム手袋をつけること。もし皮膚についてしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。
泡タイプをスプレーするときは、マスクやメガネ・作業用ゴーグルをつけると安心です。
また、以下のものには塩素系漂白剤を使用できません。
- 獣毛のハケ・ブラシ
- メラミン樹脂(食器・スポンジ)
- ステンレス以外の金属(アルミニウム・真鍮など)
- 漆器や木製品
- 天然石(大理石含む)
- 浴槽栓などのゴム部分
- しっくい壁、クロス壁
- 水洗いできないもの
基本的に「水分がしみ込みやすいもの」「変色しやすいもの」には使わないほうが良いです。判断に迷ったら、目立たない場所で確認してから全体に使うようにしましょう。
酸性のものと混ぜると有害な塩素ガスが発生します。もし混ざってしまった場合はガスを吸わないようにし、目や喉、皮膚に刺激を感じたら病院で診てもらいましょう。
【場所別】塩素系漂白剤を掃除に使う方法
塩素系漂白剤を使って以下の場所を掃除する方法を紹介します。
- キッチン用品の漂白・除菌
- 冷蔵庫の中の除菌
- 排水口の漂白とぬめり除去
- お風呂のカビ取り・漂白
- トイレのカビ・黒ずみ取り
- 洗濯槽の除菌
キッチン用品の漂白・除菌
液体タイプの塩素系漂白剤は、希釈して使います。ふきん・台ふきん・おしぼりは、水5リットルに対し、キャップ1.2杯(約30ml)、まな板・食器・きゅうす・タンブラー・マグカップ・哺乳瓶・お弁当箱などは水5リットルに対し、キャップ2杯(約50ml)が使用量の目安です。
除菌・消臭の場合は2分(木製まな板は5分)つけ置きをしたあと水ですすぎます。漂白もしたい場合は30分ほどつけ置きして水ですすぎます。
泡タイプの塩素系漂白剤は、汚れに直接スプレーして使います。除菌の場合は2分(プラスチックまな板30秒)、漂白もしたい場合は5分置きましょう。その後、流水で30秒以上洗い流します。
冷蔵庫の中の除菌
液体タイプの塩素系漂白剤水5リットルに対し、キャップ1/2(約12ml)の割合で薄めた液につけ置きしたふきんで冷蔵庫の中を拭いた後、水で二度ぶきします。
排水口の漂白とぬめり除去
泡タイプの塩素系漂白剤を排水口に直接スプレーして5分置き、流水で30秒以上洗い流します。
お風呂のカビ取り・漂白
お風呂のカビ取り・漂白は、液体・泡・ジェルのいずれのタイプでも可能です。
- 液体タイプ:次亜塩素酸ナトリウム濃度が高いので強力。ただし、少し手間がかかる。
- スプレー:汚れに直接吹き付けるだけなので手軽。
- ジェル:目地専用なので、目地のカビに適している。
液体タイプは漂白力が高いので、ゴムパッキンや目地の頑固なカビ除去に効果的です。ただし、液体なので壁や床を流れやすく、そのままではとどまって浸透することができません。
カビ取りにはある程度の時間をかけて浸透させないといけないよね?
浸透させるためには、塩素系漂白剤(液体)を希釈した溶液に、細長く切ったキッチンペーパーを浸し、カビが気になるところにシートパックのように張り付けるとよいです。5~10分ほど置いてからはがし、シャワーで洗い流します。
泡タイプは、カビが気になるところに直接スプレーするだけなので簡単です。頑固なカビはスプレーした上にキッチンペーパーやティッシュをかぶせ、その上に再度スプレーをして、乾燥しないようにラップをかけておきます。
それでも落ちない目地や隙間のカビには、ジェルタイプを使ってみてください。泡よりも強力に密着するので、高い漂白効果が期待できます。
トイレのカビ・黒ずみ取り
トイレの黒ずみの正体は、カビや水垢、便や尿が混ざった複合汚れ。頑固な黒ずみも塩素系漂白剤で落とせます。
トイレで便利なのは泡タイプやトイレ専用の塩素系漂白剤です。
泡タイプは黒ずみに直接スプレーするだけなので簡単です。頑固な黒ずみなら、スプレーした上にトイレットペーパーをかぶせ、さらにスプレーをしてしばらく放置し、トイレを流します。トイレ専用の塩素系漂白剤は、容器がフチ裏に洗剤をかけやすい形状になっているので便器内の洗浄を効率よく行えます。
ただし、多くのメーカーでは、温水式便座を塩素系漂白剤で掃除しないように書いています。使用は自己判断となりますが、長時間の利用は避けたほうが良いでしょう。
※尿石取りの酸性の洗剤(サンポール・クエン酸など)とは一緒に使わないこと。
洗濯槽の除菌
洗濯槽の除菌にメーカーが推奨しているのは塩素系漂白剤(衣類用または洗濯槽用)です。
酸素系漂白剤や台所用漂白剤は使用しないでください。
HITACHI 全自動洗濯機(BW-X120H)取扱説明書より
泡が大量に発生し、本体の故障や水漏れの原因になります。
塩素系漂白剤(ハイターなど)を使うときは、「衣類用」を使うようにしましょう。
- ○ハイター(衣類用)
- ×ワイドハイター(衣類用だけど酸素系)
- ×キッチンハイター
- ○洗濯槽用クリーナー
キッチンハイター(液体)には界面活性剤が入っていて、泡立ってしまうのでNGです。
縦型洗濯機とドラム式洗濯機で少しやり方が違うので、それぞれ説明します。
縦型洗濯機
洗濯槽に満水まで水を入れ塩素系漂白剤を加えて、「槽洗浄コース」か、なければ最大水量にして「洗い」で2~3時間つけ置き(一晩でもOK)をし、「すすぎ」「脱水」の工程を行います。
塩素系漂白剤の使用量はメーカーにより異なりますが、200~500mlを使うように指示されていることが多いです。悩んだら「水10リットルに対しハイター50ml」を目安にするとよいでしょう。
ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機の場合は、「槽洗浄」「槽クリーン」などのコースを使います。
塩素系漂白剤の使用量はメーカーにより異なりますが、200~300mlを使うように指示されていることが多いです。
水がたまったら一時停止して入れる場合や、投入のお知らせ表示が出る場合など、洗濯機によって細かい操作は異なりますが、基本的には(洗剤投入ケースではなく)直接ドラムに入れてまわします。詳しくは洗濯機の取扱説明書を参照しましょう。
縦型でもドラム式でも、洗濯槽用のクリーナーを使うときは、商品の使用説明を読んで、そのとおりに使ってくださいね。
代表的な製品(ハイターやカビキラーなど)
以下にドラッグストアやスーパーで買える代表的な塩素系漂白剤を紹介します。
塩素系漂白剤は時間と共に自然分解し、だんだん効果が薄くなっていくので、種類を絞って早めに使い切るようにしましょう。どれかひとつなら、泡タイプがお手軽でおすすめです。
名称 | ハイター | キッチンハイター | カビキラー | 強力カビハイター | キッチン泡ハイター | ドメスト | カビキラージェルタイプ |
メーカー | 花王 | 花王 | ジョンソン | 花王 | 花王 | ユニリーバ | ジョンソン |
成分 | 次亜塩素酸ナトリウム 水酸化ナトリウム | 次亜塩素酸ナトリウム 界面活性剤 水酸化ナトリウム | 次亜塩素酸塩 水酸化ナトリウム 界面活性剤 安定化剤 | 次亜塩素酸ナトリウム 水酸化ナトリウム 界面活性剤 安定化剤 | 次亜塩素酸ナトリウム 界面活性剤 水酸化ナトリウム | 次亜塩素酸ナトリウム 界面活性剤 水酸化ナトリウム | 次亜塩素酸塩 水酸化ナトリウム 界面活性剤 安定化剤 |
内容量 | 600ml | 600ml | 400ml | 400ml | 400ml | 500ml | 100g |
価格※ | 184円 | 184円 | 305円 | 305円 | 294円 | 294円 | 415円 |
100mlあたりの価格 | 31円 | 31円 | 76円 | 76円 | 74円 | 59円 | 415円/100g |
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