お風呂場やキッチンのコーキング・ゴムパッキン・目地に生えた根強い黒カビを除去するには、カビ取り剤の「塩素濃度」と「接触時間」を高めることがポイントです。
ハイターパックをして長時間置くか、ジェル状のカビ取り剤を使えば、高確率で真っ白になります。
コーキング・ゴムパッキン・目地の黒カビの除去
根が深く、頑固な黒カビを除去するには、塩素系漂白剤を使ったハイターパックか、ジェルタイプの専用洗剤が効果的です。
お風呂場やキッチンのコーキング(目地材が充填されている隙間)・ゴムパッキン・目地に生えた黒カビ。泡ハイターをスプレーしても落とせなかった経験はありませんか?
泡ハイターの塩素濃度はカビ取り剤の中でも低く、液だれするためカビとの接触時間も短くなりがちです。そのためコーキング内部に侵入した黒カビを除去できません。
コーキングやゴムパッキンに繁殖したカビを長期間放置すると、根が深くなってしまいます。
その理由は、コーキングやゴムパッキンは柔らかく、カビが根をはりやすい素材だから。プラスチックのカビは泡ハイターで落とせるのに、コーキングやゴムパッキンのカビがなかなか落とせないのはこのためです。
根が深く頑固な黒カビを除去するには、塩素系漂白剤を使った以下の2つの方法があります。
- ハイターパック
- ジェルタイプの専用洗剤
これらはかなり強力な方法ですが、手間と時間がかかります。以下の点に注意し、余裕のあるときに実施しましょう。
注意点
・換気扇はつけっぱなしで行いましょう。
・ハイターの原液を使用します。作業中は手袋とマスクをつけましょう。
・塩素がついて白くなってしまっても惜しくない服装で挑むとより安心です。
カビ取り剤の次亜塩素酸ナトリウムの濃度
塩素系漂白剤には、「液体タイプ」「泡タイプ」「ジェルタイプ」の3種類があります。
- 液体タイプ:ハイター、キッチンハイターなど
- 泡タイプ:カビキラー、キッチン泡ハイター、強力カビハイターなど
- ジェルタイプ:コムパッキン用カビキラー、カビトルデスPROなど
タイプによって次亜塩素酸ナトリウムの濃度が異なり、各メーカーは厳密な濃度を公開していませんが、商品ごとに以下の濃度と言われています。
- カビ取り剤の次亜塩素酸ナトリウムの濃度
- ・液体タイプ(ハイターなど):5〜6%
・泡タイプ:2〜3%
・ジェルタイプ:2〜3%
液体のカビ取り剤(ハイターなど)は本来希釈して使うものなので、泡スプレーやジェルに比べると次亜塩素酸ナトリウムの濃度が2倍以上です。より濃度の高いカビ取り剤を長時間密着させれば、根深いカビを除去しやすくなります。
「高濃度のカビ取り剤×長時間密着」を叶える方法は2つ。ハイターでパックをする方法と、ジェルタイプの専用洗剤を使う方法です。
ハイターパックは手間と時間はかかりますが、非常に高いカビ取り効果が期待できます。ハイターは1本200 円以下で買えるので、安く実施できるのも魅力です。
ジェルの専用洗剤の価格は、1本400円〜1,000円ほど。効果は高く、手間が圧倒的に少ないです。どちらを選ぶかは、かけられる手間とお金のバランスで決めましょう。
手間がかかってもお金をかけたくないならハイターパック、少しお金がかかってもラクなのがいいならジェルの専用洗剤がおすすめ!
ハイターパックで黒カビを除去する方法
コーキング部分をハイターに浸した不織布でパックして、一定時間放置する方法です。
ハイターパックの手順
この方法を実践しても完璧に落ちていない場合は、もう一度同じ方法をくりかえします。
ジェル状のカビ取り剤で黒カビを除去する方法
粘度が高くカビの上に長時間とどまってくれるジェル状のカビ取り剤は、少し高価ですが、手軽です。
ジェルタイプの専用洗剤はカビの上にとどまってくれるので洗浄効果が高いです。コーキング・目地・ゴムパッキンなどにジェルを密着させて数時間放置して、黒カビが消えたら洗い流します。
実際には、各洗剤の説明書通りに使ってください。
「カビトルデスPRO」は、次亜塩素酸塩2%で、強力密着ジェルがたれずにとどまってカビの奥に浸透するので、風呂場のタイル目地、窓枠やシリコン部分の黒カビにおすすめです。
垂れないので、高いところに使っても目に入る心配がありません。ピンク色のジェルなので塗ったところがわかりやすく、流し忘れの心配もないです。流した後も防カビ効果が1か月持続します。
ハイターパックは安く済みますが手間がかかるため、面倒くさがりな人、とにかくラクに落としたい人にはカビトルデスPROのようなジェル状のカビ取り剤をおすすめします。
おわりに|コーキングは汚れの予防も効果あり
コーキング部分をキレイにしたら、もう二度とやりたくないと思うのではないでしょうか。
筆者はもう二度と掃除をしたくなかったので、100均で買える汚れ防止テープを貼って対策しました。
6か月後にテープをはがしてみると、ほとんどの場所にはカビが生えておらず、防カビ効果がちゃんとあったことがわかりました。貼るだけで手間なくきれいな状態を保てるので、ぜひ試してみてください。
一度コーキングやゴムパッキンの黒カビを除去したら、根が深くなる前に除去するか、そもそも生えないように対策してみてください。
参考資料
日本家庭用洗浄剤工業会(家洗工)は、有効成分の濃度限界について、基準を定めています。
有効成分と安全性
日本家庭用洗浄剤工業会(家洗工)より引用
(1)塩素系カビ取り剤に使用出来る物質は、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等とし、その濃度は下記に定める。
濃度限界:
① 次亜塩素酸ナトリウムは4%以下とする。
② 水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムは1%以下とする。
③ 但しスプレー式の製品にあっては、次亜塩素酸ナトリウムは3%以下とする。
日本家庭用洗浄剤工業会(家洗工)は、酸、アルカリまたは酸化剤を主成分とする住居関連洗浄剤のメーカーで構成される業界団体です。
会員(株式会社アサヒペン、株式会社 ウエ・ルコ、エステー株式会社、花王株式会社、カネヨ石鹸株式会社、共立化学工業株式会社 、広伸化学株式会社、小林製薬株式会社、ジョンソン株式会社、大日本除虫菊株式会社、日広産業株式会社、日本ミラコン産業株式会社、藤倉化成株式会社、フマキラー株式会社、マルフクケミファ株式会社、ミツエイ株式会社、ライオン株式会社、株式会社リンレイ)