手間や時間をかけず、お風呂の壁をきれいな状態に保つには、汚れる範囲を最小限にする、入浴のついでに掃除をする、カビの繁殖条件(温度・湿度・栄養)をなくすのがポイントです。
また吊るす収納で棚や床にものを直置きしないようにすれば、汚れが付きにく、掃除が簡単になります。
お風呂の壁の汚れの原因
お風呂の壁につく汚れは大きくわけて以下の2つです。
- 皮脂・水あか・湯あか・石鹸カスの混合物
- カビ
髪や体を洗うと、皮脂汚れや垢(タンパク質汚れ)が洗浄料の泡に混ざって浴室の壁や床に飛び散ります。カビはそれらを栄養分にして繁殖します。
湯気の多い浴室は、カビ菌にとっては天国のようなもの。タイルの壁の目地の部分にカビが発生して、大変なことになるのはこうした条件がそろっているためです。
お風呂の壁をラクしてきれいに保つコツ
そんなお風呂の壁をラクしてきれいに保つコツは以下の3つです。
- 汚れる範囲を最小限にする
- 入浴のついでに掃除をする
- カビの繁殖条件をなくす
続けて、3つのコツを実践する具体的な方法を紹介します。全部はできないと思った方も大丈夫。どれか一つだけでも効果があるので、できそうなものから実践してください。
汚れる範囲を最小限にする
お風呂で髪や体を洗うとき、なるべく立った姿勢ではなく、座るようにします。すると、皮脂汚れや垢が混ざった洗浄料の泡の飛び散る範囲が小さくなるので、掃除をする範囲も減らせます。
入浴のついでに掃除をする
入浴のついでに体を洗うボディーソープ・石けん・シャンプーで浴室の壁を洗ってしまいます。汚れの元は体の垢や皮脂(タンパク質汚れ)なので、体を洗うもので十分落とせます。
風呂椅子に座っているときは目線も低いので、汚れが見えやすいのもポイントです。気づいたときにササっとこすっておけば、わざわざお風呂掃除をする必要がなくなって、ラクになります。
毎回のついで掃除は「1〜2分でできる範囲」だけで十分です。
入浴の最後に熱いシャワー(45℃以上)で壁を流すのも、カビの発生を抑えるのに効果的です。毎回最後にお風呂を使う人がシャワーを流す習慣をつけると、きれいな状態を保ちやすくなります。
なお、入浴後に冷水シャワーをかけると水滴が残りやすく、かえってカビの発生につながることもあるので、必ず熱いお湯シャワーをかけましょう。
また、お風呂をでるとき、ついでにタオルやスクイージーで水滴を取り除くと水垢がつきません。もうひと手間かけられそうな方は習慣にしてみてください。
カビの繁殖条件をなくす
カビは「温度・湿度・栄養」の3つの条件がそろうと、発生しやすくなります。逆に、どれかひとつが欠ければ、発生しにくいのが特徴です。
浴室を湿度が高いままにしておくと、カビが発生しやすくなります。そのため、お風呂の換気扇をつけっぱなしにして湿気を外に出すと、カビの発生を防ぐのに役立ちます。
つけっぱなしにすると電気代が高くなるのでは…と思うかもしれませんが、一か月つけっぱなしにしても電気代はわずか数十円~数百円程度。カビを取る手間や時間を考えれば安いものです。
浴室に換気扇が付いていない場合は、サーキュレーターで空気を循環させるとよいでしょう。
浴室乾燥機が備わっているなら、家族全員の入浴後に乾燥モードを2〜3時間かけて浴室内を完全に乾かします。ほとんどの場合、これでカビは生えなくなります。
コーキング部分など、カビが発生しやすい部分は防カビテープを貼っておくのも良い方法です。
水滴や皮脂の付着を予防できるので、その部分については掃除そのものをする必要がなくなります。掃除もテープの貼り替えだけで良いので手軽です。
カビ汚れ防止マスキングテープは100円ショップでも購入できます。
毎日「ついで掃除」ができない場合
入浴時のついで掃除や、お風呂上がりに浴室の壁を熱いシャワーで流すのが難しい場合は、以下の方法を実践してみてください。汚れが発生しにくくなります。
- 週1回50℃以上のお湯を至近距離からかける
黒カビが生えやすいところに、週に1回、50℃以上のお湯を至近距離から5秒以上シャワーします。ゴムパッキンは長めに90秒ほどかけると効き目が大きいです。 - ときどきアルコールスプレーを吹き掛けて除菌する
- 防カビくん煙剤を使用する
カビが生えやすいと悩んでいる場合は、黒カビ予防商品の「カビ防止くん煙剤」を使ってみましょう。カビの予防効果があります。
「防カビくん煙剤」は、銀イオンの力でカビの発生を抑えてくれる製品です(効果は2か月間)。
「バイオ お風呂のカビきれい」は、天井に貼るだけでバイオの力でカビの発生を抑えてくれます(効果は6か月間)。
毎日のついで掃除や熱いシャワーで流すことが難しい場合は、こうしたカビ予防アイテムを取り入れるのも一つの方法です。
ひどく汚れている場合はリセット掃除から
ここまでお風呂の壁をラクしてきれいに保つコツを紹介してきましたが、現状お風呂の壁がひどく汚れている場合は、リセット掃除から始めましょう。
少し手間がかかりますが、一度きれいにしてしまえば、その状態を保つのは大変ではありません。
ユニットバスのパネルの場合
ユニットバスのパネルの場合は、お風呂用の中性洗剤やクリームクレンザーなどでこすり洗いをします。
カビがある場合は泡ハイターをしましょう。ほとんどの場合はこれでキレイになります。それでも落ちないない場合は、カビ取り剤と壁の接触時間を長くできる専用洗剤がおすすめです。
「茂木和哉 浴室用 カビとり 密着 ジェルスプレー」は、垂れずに壁面に密着するので、壁のカビを落とすのにおすすめの専用洗剤です。
タイル地の場合
タイル地の場合もお風呂用の中性洗剤やクリームクレンザーなどでこすり洗います。
ただ、タイル地の場合は、目地に強烈にカビがはえていることがありますよね。泡ハイターで取れればよいですが、落ちない場合は、液垂れしにくいジェル状のカビ取り剤を塗布して半日〜1日放置してください。
液体のハイターを浸した不織布でパックをするのも効果的です。詳しくは「コーキング・ゴムパッキン・目地に生えた黒カビを除去する方法」で紹介しています。
【超強力】吊るす収納で汚れる場所をなくす
吊るす収納でお風呂の棚や床にものを直置きしないようにすれば、汚れが付きにくく、掃除が簡単です。
掃除をするまでのハードルが低ければ、「ついで掃除をしてもいいかな」と思いやすいもの。そのためには「汚れやすい場所を極限まで減らす」のが有効です。
例えば、備え付けの棚(ラック)を取り外してしまえば、ラックの上にあるものをどかしながら掃除する必要も、ラックそのもののぬめり取りや、裏側のカビ汚れを掃除する必要もなくなります。
その代わりに、ボトルや小物は「浮かせるグッズ」で吊るして収納しましょう。
お風呂で使うアイテムを見直し、ものの量をへらすことでも掃除はより簡単に! 掃除の面倒くささを徹底的になくすことで、努力しなくても浴室の壁をきれいに保ててるようになります。
おわりに|わざわざ掃除しなくても済むように
お風呂の壁の汚れはちょっとした習慣で簡単に予防できます。この記事ではいくつかの方法を紹介しましたが、すべてやる必要はないので、まずはどれか一つのアイデアを実践してみてください。
カジコレ編集長の自宅の風呂はユニットバスですが、24時間換気扇をつけっぱなしにすることでほとんどのカビを予防できています。湿気がなくなるためカビが繁殖できないからです。
あとは入浴中に、毎日1〜2分、気になったところをこすり洗いして、皮脂汚れや石鹸カスを除去します。「ついで掃除」なので、わざわざ掃除をしている意識はありません。
この2つを実践するだけで、特別に掃除をすることなく、いつでもきれいな浴室を保てています。ぜひ真似して、ラクして気持ちよいバスタイムを手に入れてみてください。
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