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【要約・感想】秒でわかる! 最強の家事 暮らしは、化学でラクになる!

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かずのすけさんの『秒でわかる! 最強の家事 暮らしは、化学でラクになる!』は、暮らしにあふれる小さな疑問を科学的な知識で的確な解消し、日用品の選び方を教えてくれる本です。

「除菌、抗菌、殺菌…いったいどう違うの?」
「界面活性剤ってよく聞くけど、安全なの?」
「洗濯用洗剤は“部屋干し用”を買うほうがいいの?」

読み終わるころにはいくつもの疑問が解消されてスッキリし、ドラッグストアでどんな生活日用品(食器用洗剤や洗濯洗剤、シャンプーなど)を選べばいいのかがわかるようになるでしょう。

秒でわかる! 最強の家事 - 暮らしは、化学でラクになる!
目次

【要約】秒でわかる!最強の家事 暮らしは、化学でラクになる!

中性洗剤

著者のかずのすけさんは、化粧品や美容のジャンルで有名なブロガー・YouTuberさんです。しかし、本書は、食器用洗剤・消臭剤・洗濯用洗剤といった家庭用日用品がテーマとなっています。

「化粧品に詳しいからといって、洗剤や消臭剤に詳しいとは限らないのでは?」と思うかもしれません。しかし、かずのすけさんはもともと化学成分の「界面活性剤」を専門に研究しており、大学院では「洗剤」や「洗浄科学」を専門とした研究室に所属していたそうです。

化粧品よりも日用化学製品に詳しいスペシャリストってわけね!

本書『秒でわかる!最強の家事 暮らしは、化学でラクになる!』では、私たちの身近にある食器用洗剤や洗濯用洗剤、消臭剤といったアイテムを取り上げ、科学的なしくみ(なぜ汚れが落ちるか、どういう働きがあるのか)を解説しています。

科学的なしくみというと「難しくてわかりにくいもの」と思われるかもしれませんが、わかりやすい言葉で書かれているので、「なるほど、そういうことだったのか!」と理解できます。

「AよりもBが良い」というときも根拠がともなっているので、納得しやすいです。

この本の知識を身につければ、特定の成分について「なんだか肌にやさしそう」または「なんとなく安全性が低そう」とイメージだけで判断するのではなく、きちんと選べるようになるでしょう。

日用品の選び方を化学の視点で簡単解説

「手に優しい洗剤ってほんとに優しい?」「部屋干し用洗剤って何が違うの?」そんな疑問も本書を読めば解決できます。

「手に優しい洗剤」ってほんとに優しい?

結論から言うと、「手荒れしない洗剤」というものは存在しません。ただし、主成分の界面活性剤の種類によっては肌そのものへの刺激がマイルドになっている場合があります。

界面活性剤には4つの種類があり、食器用洗剤には主に「陰イオン界面活性剤」が配合されています。「陰イオン界面活性剤」は泡立ちに優れ、様々な汚れを幅広く落とせる一方で、手肌への刺激性が懸念されるのが欠点。

対して、”マイルド”や”手肌に優しい”といった表示のある食器用洗剤は、「非イオン界面活性剤」が主成分の場合が多いです。この成分は泡立ちや洗浄機能は限定的ですが、手肌そのものへの刺激は非常にマイルド。しかし、「非イオン界面活性剤」は「油汚れ」を落とすのは比較的得意なので「脱脂力」自体はそれなりに強く、手肌への刺激はないのですが、皮膚表面のバリア成分を除去します。

『秒でわかる!最強の家事 暮らしは、化学でラクになる!』p.17より引用

つまり、食器用洗剤のパッケージに「マイルド」と書かれていても、ナチュラル系のやさしいデザインだったとしても、脱脂力が強い場合があるわけです。「マイルド」=「手荒れしない」とは言えません。

手荒れを防ぎたいなら使い捨てビニール手袋(※著者推奨)で手肌と洗剤を触れさせないようにしたり、できるだけ食器洗い乾燥機を使ったりするなどの方法が有効です。

部屋干し用って何が違うの?

部屋干し用と普通の洗濯洗剤の一番の違いは、生乾きの臭いの原因となる菌類の繁殖を抑える工夫がされているかどうかです。菌類の繁殖を抑えるというとPART.1でも出てきた「抗菌剤」が使われていそうですが、洗濯洗剤の場合は少し意外な成分が。

実は洗濯洗剤で生乾きの臭いを撃退してくれる成分は「酵素」。洗濯洗剤に入っている酵素は主に「タンパク質分解酵素」と呼ばれるもので、名前の通りタンパク質を分解する働きがあります。(中略)

酵素入りの洗剤は汚れや臭いがよく落ちますが、デメリットもあります。それは、酵素は皮膚刺激になりやすく、衣類に残留しやすい成分であること。(中略)

酵素洗剤は洗浄力の向上や臭いの防止作用などで良い面もありますが、アトピーや、肌が荒れやすい敏感肌の人にはあまりお勧めできません。赤ちゃんなど小さいお子さんの衣類を洗うのにもあまり適しません。肌に優しく臭いを防止したい場合は、やはり天日干しや乾燥機が一番です。

『秒でわかる!最強の家事 暮らしは、化学でラクになる!』p.67~68より引用

大手メーカーの洗濯洗剤で「部屋干し用」とそうでない普通用があり、値段も同じだったら、「臭いを抑える働きが強いんだし、部屋干し用のほうがいいかな」と思うかもしれません。でも、メリットだけでなくデメリットもあります。

したがって、メリットとデメリットを比較して、自分に合うほうを選ぶことになるわけですが、「ほとんどの衣類をドラム式洗濯乾燥機で乾かしている」ような場合は、わざわざ部屋干し用洗剤を買う必要はなさそうですね。

【感想】何を選んだらよいのかわかるようになる

『秒でわかる!最強の家事 暮らしは、化学でラクになる!』は、日用化学製品の「汚れを落とすしくみ」や「臭いを抑えるしくみ」などを解説し、正しい選び方を教えてくれる本です。

もし、広告やTVコマーシャルのイメージなどで「なんとなく良さそう」と選んでいるのだとしたら、本書を読むことで「こういう基準で、我が家にはこれがよい」と選べるようになるでしょう。「界面活性剤ってなんだか怖い?」といった漠然とした不安も解消されるはずです。

知ることは、自分と家族を守ることに直結します。知識を身につけることで、かしこい商品選びができ、より安全・安心な暮らしができます。

「安価な消耗品は適当に選んでいたけれど、毎日使う身近なものも、もっとちゃんと選びたいな」と思ったら、ぜひ読んでみてください。

もくじの紹介

Amazonから本書のもくじを引用します。

秒でわかる!最強の家事 暮らしは、化学でラクになる!のもくじ
  • PART.1 身近に潜む化学 「安心で安全なアイテム」
  • PART.2 洗濯の化学 「本当にキレイになる洗濯洗剤の見分け方」
  • PART.3 掃除の化学 「シンプルで、安全な洗剤とアイテム」
  • PART.4 ケアする化学 「ヘアケア&ボディケアアイテム」 
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この記事を書いた人

時短家事アドバイザーと共働き主婦チームがつくるWEBメディア。仕事が好きで「家事の優先順位が低い主婦」だった編集長の、掃除を9割やめても「キレイな部屋で過ごせるようになったしかけ」をはじめ、優秀な時短グッズ・お掃除ノウハウ・整理収納術(片づけ)・家事代行やハウスクリーニングサービスについて発信している。これまでに実践した家事効率化の専門書は200冊超。

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