シンプルライフ研究家・マキさんの『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』は、心にゆとりをもってゆるやかな日々を過ごすために、暮らしのムダをなくすことを提案する本です。
思い込みを取り払い、家じゅうのいろいろなものをなくすことで、軽やかに暮らせるようになったというマキさん。この本では、6章にわたって「何をなくせばいいか」を解説しています。
【要約】暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事
本書は、心にゆとりをもってゆるやかな日々を過ごすために暮らしのムダをなくすことを提案する本です。6章から構成されており、章ごとに「何をなくせばいいか」が解説されています。
- 第1章 迷う時間をなくす
- 第2章 ムダなルーティンをなくす
- 第3章 ムダなものをなくす
- 第4章 ムダな動きをなくす
- 第5章 新しい暮らしでさらになくしたいこと
- 第6章 なくした先に見えるお気に入りだけの暮らし
第1章の「迷う時間をなくす」は、いろいろなことをパターン化することで、「なにを着る?」「なにを食べる?」といった日々の選択と決定の繰り返しをなくす方法を提案しています。
楽しい迷いは別ですが、それ以外は迷わずにサッと行動できるようにしておけば効率的です。
第2章の「ムダなルーティンをなくす」では、洗濯物はたたまない話や、毎日のついで掃除で大掃除をなくす方法、生協の定期宅配を利用することで買い物をなくす方法が紹介されています。
毎日やることがいっぱいでクタクタな人は、できるだけ不要なコト・ものをなくして無理なく暮らしが回るようにしていきましょう。
合理的な”家事をなくす”ノウハウ
『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』には、合理的な”家事をなくす”ノウハウがたくさん紹介されています。その中でカジコレ変種部がとくに「家事がラクになる!」と思ったのは、「平日の晩ごはんはパターン化」「調理中は一歩も動かない」「1つ増えたら1つ手放す」の3つです。
平日の晩ごはんはパターン化
平日の晩ごはんはパターン化
わが家の平日の晩ごはん作りは、ご飯を炊く、具沢山の味噌汁を作る、フライパン1つでメインを作る、半調理しておいた野菜で副菜を作る、の4つだけ。ほぼ毎日同じです。
ごはん作りをパターン化するとなにが起こるか? キッチンツールや使うお皿が同じになります。そして、作る順番が同じなので、考えなくてもお米を研ぎ、鍋に出汁パックと水を入れて火にかけ、フライパンを準備し、メインおかずを炒めれば、晩御飯が完成するのです。
『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』p.26より引用
仕事で忙しいのに、毎日「今日の晩ごはん、なににしよう…?」と悩むのは時間もかかりますし、ストレスのもと。平日の晩ごはんをパターン化することで、時短&ラクができます。
メインおかずは食材2つ(肉か魚と野菜など)を組み合わせ、フライパンで調理して味をつけるだけ。とはいえ、食材も違い、味付けも違うので、毎日同じものが続くわけではありません。
この方法なら栄養もちゃんと摂れそうだし、家族も満足してくれそう!
調理中は一歩も動かない
調理中は一歩も動かない
私は料理に自分の貴重な体力を使うことすらもったいないと思っているので、調理中はほぼ動かない仕組みにしています。
わが家のキッチン台は幅150cm、奥行き75cmと狭いですが、台の前に立てば鍋、包丁、冷蔵庫内の食材、食器が全部一歩も動かずに取れます。
『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』p.82より引用
キッチンの大きさや配置は各家庭で異なるので、必ずしもマキさんと同じようにできるわけではありませんが、「なるべくあっちに行ったりこっちに行ったりしないで済むように、キッチンのものの置き場所を工夫する」ことは真似できるのではないでしょうか。
ムダな動きをなくしていくことでキッチンに立つ時間を短縮できるので、余った時間はダイニングで食卓を囲む団らんにまわせるとマキさんは言います。
「〇〇しなくちゃ」に追い回されるのでなく、自分が本当にしたいことに時間を使えるは、家事を効率化する大きなメリットです。
1つ増えたら1つ手放す
1つ増えたら1つ手放す
ものを買っては手放しという失敗をたくさん繰り返して、行き着いた私の結論は”量は一定がいい”ということでした。ものが増えると、必ずそれを置いておくスペースが必要になるからです。(中略)…1つ増えたら1つ手放すことを心がけないと、あっという間にものがあふれてしまいます。
『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』p.76より引用
一定量以上のものを家に入れてしまうと、余分な管理コストが発生します。収納スペースに入ったとしても、ものが多いと必要なものを探す手間と時間、掃除のたびにものをどかさないといけない面倒が発生します。
1つ増えたら1つ手放すことを意識すれば、ものは入れ替わるので、新しく収納場所を作る必要がありません。効率よく家事を行いたいなら、ため込みグセはなくすのがよさそうです。
現在ものが多すぎて、うまく暮らしが回っていないと感じるなら、以下の記事もあわせてどうぞ。
【感想】今を生きるために不要なモノやコトはなくす
毎日献立を考え、散らかった部屋を片づけ、面倒な掃除を行う。昔ながらの主婦像をイメージして「こうでなくてはならない」とハードルを高く設定すると、結局自分で自分の首を絞めることになってしまいます。
マキさんは、「今を生きる」には心と時間の余裕が必要だと言います。今までやっていたことをなくすのは、ズルいことをしているような、後ろめたいような気がするかもしれません。
でも、本当に好きなものや人にだけ囲まれる暮らしをしたいなら、不要なモノやコトはなくしていく必要があります。「ムダであるか、そうでないか」は価値観によって異なるので、必ずこの通りにしなくてもOKです。
毎日時間をかけて手の込んだ献立を作ることに喜びを感じるのか、あるいは簡単な献立にして子どもとおしゃべりしたり本を読んだりする時間を持つことを幸せに感じるのか……。
自分と家族がなにを大切にしたいかを改めて考え、そのために「なくす」こと、「なくさない」ことを選んでいくことで、より自分らしくゆとりのある日々を過ごせるのだと思います。
「手を抜かずに家事をする完璧な主婦」でもなく、「仕事と家事を両立するハイパー主夫」でもなく、「効率的な家事で心にゆとりを持つ主婦」になりたい人におすすめの本です。
『なくす家事』もくじの紹介
マキさんの『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』
- 第1章 迷う時間をなくす
- 第2章 ムダなルーティンをなくす
- 第3章 ムダなものをなくす
- 第4章 ムダな動きをなくす
- 第5章 新しい暮らしでさらになくしたいこと
- 第6章 なくした先に見えるお気に入りだけの暮らし