頑固な湯垢汚れはどんな方法なら落ちるのかを実験した結果、効果があったのは「研磨」か「オキシ漬け(過炭酸ナトリウム溶液漬け)」。湯垢汚れをいちばんラクに落とせたのは「オキシ漬け」でした。
頑固な湯垢汚れはどんな方法なら落ちるのか?
水垢と湯垢の落とし方の記事で、湯垢の落とし方を紹介しました。
- 日常使いの洗剤で落とす
- 室用洗剤・ボディーソープ・シャンプーなど
- アルカリ洗剤でゆるめる
- 重曹・セスキ炭酸ソーダ・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤・オキシクリーン)など
- 「研磨」の力で削り落とす
- 重曹・クリームクレンザー・メラミンスポンジなど
軽い湯垢は浴室用洗剤をつけてスポンジで軽くこするだけで取れますが、ガチガチの汚れになってしまうと落とすのはなかなか大変です。
カジコレ編集部スタッフの家に1年モノの湯垢まみれの洗面器と風呂椅子があったので、「頑固な湯垢汚れはどんな方法なら落ちるのか」を実験してみました。
浴室用洗剤をスプレーしてこする
普段使っている浴室用洗剤で落ちるかどうか、まず「バスマジックリン」を使ってみました。
普段のお風呂掃除と同じく、バスマジックリンをスプレーし、浴室用スポンジでこすってみます。
洗い流してみたところ。残念ながら、湯垢はほとんど落ちないという結果でした。
バスマジックリンは、湯垢も落とせる洗剤ですが、さすがに年季の入った湯垢は簡単には落とせませんでした…
重曹(粉)を振りかけてこする
バスマジックリンでは湯垢を落とせなかったので、次は重曹でこすってみました。
重曹を粉のまま振りかけてから、浴室用スポンジでこすってみました。
洗い流してみると、ある程度は湯垢が取れていました。もう少しがんばってこすれば、すべての湯垢を取ることもできそうです。
重曹は弱アルカリ性ですが、水に溶けにくく研磨力が高いので、「酸とアルカリの反応で落とした」というより「こすって落とした」感じですね。
重曹水パックとセスキ水パックをする
続けて、洗面器で実験をしてみます。先ほどの風呂椅子よりもしっかり湯垢がついていました。
湯垢は酸性の汚れなので、反対の性質を持つアルカリ洗剤が有効です。なので、弱アルカリ性の「重曹水パック」と「セスキ水パック」を試してみます。
100円ショップの重曹スプレーをキッチンペーパーに吹きつけて、洗面器の半分を覆います。
もう半分にも、100円ショップのセスキ水スプレーを吹きつけたキッチンペーパーをかぶせます。
乾かないように、ラップを重ねて2時間放置し、その後、浴室用スポンジでこすってみました。
洗い流してみたところ、ほぼ変化なし。重曹水&セスキ水パックでは力不足だったようです。
最初に風呂椅子でやったのと同じく、重曹の粉を振りかけてこすってみました。動画のようにがんばってこすれば湯垢は落ちます。
ただし、重曹のアルカリ性が湯垢の酸性に反応しているというより、単純に研磨の力で落ちているようです。クリームクレンザー「ジフ」でも、重曹の粉と同程度の力と時間が必要でした。
重曹でもジフでもこする労力は同じくらいなので、どちらを使ってもOK! ただ、メラミンスポンジはプラスチックを傷つけるのでおすすめしません。
こする労力はかかりますが、重曹やクリームクレンザーで研磨すれば1年モノの湯垢は落とせることがわかりました。
ちなみに、「重曹を振りかけてこする」よりも「重曹ペーストを塗って1時間放置したあとにこする」ほうがアルカリの力が作用して落としやすくなるのかも実験してみました。
こすることで湯垢は取れましたが、重曹の粉を振りかけてこすったときと労力は変わらなかったので、研磨の力で落とす場合は、1時間置く必要はなさそうです。
水道水に含まれるミネラル分が固まった「水垢」は硬いですが、「湯垢」は軟らかいので研磨の力だけでもそれなりに落とせます。
オキシ漬け(過炭酸ナトリウム溶液漬け)
もうひとつの方法として、いわゆる「オキシ漬け」を試してみました。オキシクリーンはアメリカ生まれの酸素系漂白剤で、主な成分は過炭酸ナトリウムです。
今回はオキシクリーンではなく、「過炭酸ナトリウム」として販売されているものを使用しました。
パッケージの裏面に「お風呂の残り湯を40℃くらいに追い炊きしてから、250g投入する」と記載があったので、その通りにやってみました。
つける前の洗面器と風呂椅子はこのくらいの汚れでした。
(風呂椅子は、重曹で落とした面と反対側です)
バスタブの湯に過炭酸ナトリウムを溶かし、洗面器、風呂椅子、ふたを入れて一晩放置しました。
一晩放置して取り出した洗面器と風呂椅子。見た目は全然変わっていません。
しかし、浴室用スポンジでこすってみたら、取れました! ここまで頑固な湯あかだと「なでる程度でさっと取れる」とはいきませんでしたが、重曹の粉でこするよりもかなりラクでした。
過炭酸ナトリウム溶液に漬けたあとの洗面器を半分こすってみたところ。
かたまった汚れも部分的に浮いていました。流水だけで落ちるわけではないため、こする必要はありますが、かなり落としやすくなったのは間違いありません。
結論|湯垢は研磨かオキシ漬けで落とす
1年モノの頑固な湯垢を落とすには、「研磨」か「オキシ漬け(過炭酸ナトリウム溶液漬け)」。実際に試してみた感想としては、いちばんラクに落とせるのはオキシ漬けでした。
ただ、長時間のつけ置きが必要なので、すぐに落としたいなら研磨が良いでしょう。時間を置く必要がないから、思い立ったその場で落とすことが可能です。
湯垢は軟らかいので、研磨剤である重曹やクリームクレンザーでこすれば(少し労力はかかりますが)落とせます。ガチガチに硬くなってしまう水垢より、ずっと落としやすいです。
お風呂に入るたびに茶色くてザラザラした湯垢が目に入ってゲンナリしているなら、「研磨」または「オキシ漬け」で落とすと、すっきりしますよ!
せっかくきれいになったら、もう頑固な湯垢はつけたくないですよね。毎日お風呂に入ったときに軽くスポンジでこするようにすれば湯垢はつかず、きれいな状態をキープできます。