整理収納アドバイザー・みくろママさんの著書『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割 ― 55㎡賃貸に家族6人。ホント、狭い! でも、快適!』は、狭い家でもゆとりのある暮らしをしたい人のための家事本です。
「狭い家だからゆとりのある暮らしなんて無理とあきらめている」
「毎日のように家族に『片づけなさい! 捨てちゃうよ!』と怒っている」
そんな人に役立つ、等身大のヒントが見つかることでしょう。
【要約】狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割
この本の著者のみくろママさんは、整理収納アドバイザー&子ども向け「お片づけ指導」のプロとして、整理収納講座やお片づけ訪問サポートをしている女性です。
3LDK(55㎡)のお家に、夫婦+高校生から小学生までの子ども4人の計6人暮らし。当然「狭い」わけですが、さまざまな工夫をすることで、ゆとりをもって快適に生活していると言います。
とはいえ、みくろママさんはミニマリストでもなければ、スーパー主婦でもなく、「どちらかといえば面倒くさがりで、しなくてもいい家事はできるだけしないタイプ」とのこと。
家が狭いことは一見するとデメリットのようですが、コンパクトだからこそ、本当に必要なものだけを所有できるメリットがあります。また、部屋を個人のものに固定せず、すべての部屋を家族で「24時間フル活用」しているそうです。
この本は、そんなみくろママさんが実践している「狭い家でも、家族が多くてもゆとりある生活ができる仕組み」を豊富な写真(実際のお部屋や収納例)とともに解説しています。
家が狭いからどうしようもないって諦めてたけど、3LDKに6人でもゆとりを持って暮らせるなら、我が家もまだまだやれることがありそう!
必要なモノを選び取る&汚れないしくみを作る
本書を読んで「なるほど、確かに!」と感じたのは、「1軍のモノ」だけに囲まれて暮らす、「捨てる」ではなく「必要なモノを選び取る」、「汚れないしくみ」で先手を打つといった考え方です。
「1軍のモノ」だけに囲まれて暮らす
忙しい人こそ、「1軍のモノ」だけに囲まれて暮らしましょう
「時間が足りない!」と嘆いている人こそ、毎日のように使う”1軍的な存在”のモノだけを選び、それ以外の2軍、3軍を一回手放す時間をとっていただきたい。
整理整頓を仕事にしている私でも、モノを大量に持っていては快適な暮らしはできませんし、片づけてもリバウンドする自信があります。
まずはモノと向き合いましょう。暮らしと向き合う、自分と向き合う。このような時間はとても大切です。今の状態でずーっと突っ走っていても時間は生まれません。一度立ち止まってベースをつくる必要があります。
『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割』p.30より引用
ものが多ければ多いほど、収納場所は多く必要ですし、管理にも時間を取られます。所有しているものの総量を把握せず、すでに持っているのにまた同じようなものを買ってしまうなんてことも。
ミニマリストになる必要はありませんが、少なすぎず多すぎない、我が家にとって”ちょうどいい量”を見極めることはとても大切です。
家の中のものが適切な量になれば管理もラクになり、家事シェアもしやすくなります。
「捨てる」ではなく、「必要なモノを選び取る」
「捨てる」ではなく、「必要なモノを選び取る」
「モノと向き合いましょう」と言うと、すぐに「まず、モノを捨てなくては!」と思われる方がいますが、それよりもまず、していただきたいことがあります。
それは、しっかりと「理想の暮らし」を描くこと。その後に、自分の「理想の暮らし」にふさわしいモノを選び取る感覚で、モノの量を絞っていってください。
ただ捨ててモノを減らすだけならカンタン。でも、必ずリバウンドします。
『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割』p.84より引用
1つめの引用にも通じることですが、「ものを捨てる」のはあくまでも手段。まず考えるべきは、「自分と家族がどういう暮らしをしたいのか」です。
カジコレではさまざまな「収納のアイデア」をお伝えしていますが、正直なところ、収納を工夫することよりも、「必要なものを選ぶ」ことが重要かつ家事効率化の効果が高いと考えています。
掃除嫌いな人こそ「汚れないしくみ」で先手を打つ
掃除嫌いな人こそ「汚れないしくみ」で先手を打つ
私は基本、面倒くさがり屋で、「家中ピカピカにしたい!」というより、「時間を生み出すために効率よくやりたい!」というのが掃除の原動力になっています。
だから、掃除に必要以上に時間を取られるのは本当にストレス。だからこそ、この”狭い家”を選んだというのもあります。
掃除に時間を取られたくないので、「掃除が面倒くさい箇所」は先手を打っています。
『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割』p.78より引用
本書では、続けて具体的な「先手」の打ち方が紹介されています。たいていの場合「先手」はちょっとした手間で済み、後から掃除をするよりもずっと簡単なことが多いです。
カジコレでも、汚れがついてから落とそうと頑張るのではなく、最初から汚れがつかない(つきにくい)しくみを作っておくことで、掃除は最小限で済む!と提案しています。
本書では、実際のみくろママさんのお家の中の写真(実例)が豊富に掲載されているので、視覚的にも「なるほど、そうすればいいのか!」と理解しやすいです。
【編集部の感想】子育て中で狭い家に住んでいる人に特におすすめ
みくろママさんが、3LDK(55㎡)の狭い家に高校生から小学生まで4人のお子さんと暮らすママなので、本書は「子育ても交えた子どもとの暮らし」にフォーカスした部分が多いです。
「子どもがいて、ものが多くて片づかない」「子どもの持ち物をどう扱ってよいかわからない」「どういう声かけをすればいいんだろう」と悩んでいる人には、等身大のヒントがたくさんあってとても参考になるでしょう。
対して、一人暮らしや大人だけのお家にはあまり関係しない部分が多いと言わざるを得ません。
もちろん、上で引用した『忙しい人こそ、「1軍のモノ」だけに囲まれて暮らしましょう』や『「捨てる」ではなく、「必要なモノを選び取る」』といった考え方の根幹となるものは、どんなライフスタイルにとっても有効だと思います。
しかしながら、本書をぜひ読んでほしいのは、「子育て真っ最中で、家が狭くて、心・時間・空間にゆとりがない」と感じている人です。家族みんなが笑顔でいられる「仕組み」づくりのヒントが、きっと見つかることでしょう。
もくじの紹介
『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割 ― 55㎡賃貸に家族6人。ホント、狭い! でも、快適!』より、もくじを紹介します。
- 1章 今すぐ役立つ「空間の工夫」
「狭い家でも、子どもがいてもゆとり」は、「仕組み」が9割! - 2章 心のゆとりを生み出す「時産家事」
「思い込み」を手放して家事の手間を劇的にカット! - 3章 「持ちすぎない」から片づけがラク!
モノを絞り込んでスッキリ暮らす!「捨て方&収納ルール」 - 4章 子どもの能力を伸ばす!
ママにゆとり、子どもに自信!「お片づけ&お手伝い共育」 - 5章 「おうちポスト」で提出物出し忘れ防止
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