整理収納コンサルタントとして活躍する須藤昌子さんの著書『死んでも床にモノを置かない。』は、「絶対にこれはやらない」ルールを守るだけで、部屋をきれいに保つ方法を提案する本です。
【要約】死んでも床にモノを置かない。
『死んでも床にモノを置かない。』というインパクトのあるタイトルなので、自分の家を見回してドキッとした人もいるでしょう。
「ついつい床にモノを置いてしまう」
「片づけが苦手で、すぐ部屋が散らかってしまう」
そんな自覚があるなら、本書に掲載されている、片づけ・掃除上手さんが実践している「絶対やらないこと」のルールが役立つかもしれません。
「これしなさい、あれしなさい」ってルールじゃないの?
須藤昌子さんが本書で提案するのは、「これをする」というルールではなく、「これをやらない」というルール作り。だから、やることは増えず、家事に使う時間を減らせるのです。
いつでも家がきちんと片づいている人は、もともと性格が几帳面できれい好き?
ズボラだから何度片づけても元に戻ってしまう?
本書では、片づけ・掃除ができない人は(生まれ持っての性格ではなく)、「絶対やらないこと」のルールがないからだと解説しています。
言い換えると、ルール作りさえできれば、いつもキレイな状態の部屋をキープできるわけです。
”大切なのは「やる片づけ」ではなく、「やらない片づけ」”と書かれています。
本書には、以下のようなさまざまな「やらないルール」が紹介されています。
- キッチンには、モノを置かない
- 机、棚の上にはなんでもかんでもモノを置かない
- 24時間以上モノを放置しない
- 着回しできない服は買わない
- 「いつか着るかも」は、もう着ない
- 「片づけるための収納用品」は買わない
- リビングのモノを出しっぱなしにしない
ひとつひとつの「やらないルール」に2~4ページをかけて、「やらない理由」と「それをやらないことでどうなるのか」が書かれているので、とても納得感があります。
例えば「24時間以上モノを放置しない」ルールには、モノを「ちょい置き」してしまう理由(忙しい、どこに置いたらいいかわからない)を挙げ、どうしたら置きっぱなしがなくなるかを解説。
「24時間以上モノを放置しない、以上!」ではなく、「放置しないためにはどうすればいいのか」まで具体的な内容が書かれており、読者に寄り添ってくれます。
もちろん、環境や生活スタイル、家族構成はそれぞれですから、全部真似する必要はありません。やらないルールの基本を押さえるだけでも、自然と片づけや掃除がしやすい家になるそうです。
すごいタイトルにびっくりしたけど、できそうな気がしてきた!
カジコレ編集部が高く評価した「やらないルール」
「死んでも床にモノを置かない。」の中で特に良いと思った「やらないルール」を紹介します。
脱いだものをそのままにしない
(脱いだパジャマやルームウェアが)脱ぎっぱなしになる理由は、「しまう場所が決まっていない、しまいにくいから」なのです。
そんな悩みを解決するには、「しまう場所をできるだけパジャマや部屋着を脱ぐ場所に近いところに作る」です。
畳むことが面倒であれば、ポンと放り込むタイプのバスケットやクラフトバッグなどを使ってみると、楽に収納でき、面倒に感じることもないと思います。
『死んでも床にモノを置かない。』p.118より引用
脱いだ服を別の部屋まで持っていって引き出しにしまうのは面倒なもの。だから「脱いだものがそのへんに置きっぱなし」な状態になってしまうわけです。
でも、脱いだ場所のすぐ近くに「脱いだものをいれるカゴ」や「脱いだものをひっかける場所」があれば、ごく自然にそこに戻せます(自分だけでなく、家族も!)。
カジコレでも以下のようなノウハウを紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
水切り籠、三角コーナーは使わない
毎日、水を切るためにメッシュ部分を洗い上げる。しっかり洗っているのに、黒ずんできたりする。
そんな憂鬱から逃れたくて、あるとき、水切り籠と三角コーナーを使わないことにしました。
するとどうでしょう?
一日の終わりのあの憂鬱な気持ちと、メッシュ部分を洗う労力も時間も、必要なくなり、楽になりました。
『死んでも床にモノを置かない。』p.156~157より引用
「あるのが当たり前」と思っているモノをなくすのには勇気がいるかもしれませんが、「当たり前と思っていることは実は当たり前でないのかも」という視点を持てると、家事に使う時間を減らせそうです。
「水切り籠や三角コーナーをなくして、どうしているの?」の回答も掲載されていますよ!
【感想】ルール作りで家事に使う時間を減らせる
「死んでも床にモノを置かない。」というタイトルですが、編集部スタッフも床にモノを置くのをやめて、吊るす収納&浮かす収納を取り入れてみたところ、掃除がとても楽になりました。
「掃除機をかけるためにモノをどかす」「掃除をしたあとにモノを戻す」、こうした手間は一回一回はささいなものかもしれませんが、毎日のこととなると、積み重なる時間は相当なもの。
「床にものを置かないルール」を取り入れることで、家事に使う時間を大幅に減らせるだけでなく、片づけや掃除の心理的なハードルもかなり下がります。
面倒ではなくなるから、「よし、パッとやっちゃおう」と思えるわけですね。
編集部スタッフはこの本のアイデアをいくつも実践していています。
本当に散らからない、気持ちのいい部屋をキープできるようになりました!
やらないことを決めるだけで、モノが増えず、部屋が散らからない……。そんなルールを知りたい人は、ぜひ読んでみてください。きっと、暮らしやすく、過ごしやすい家に変わっていけます。
もくじの紹介
須藤昌子さんの「死んでもモノを床に置かない。」のもくじをAmazonから引用します。
- 序章 やらないルールが、すべてを解決する
- 1章 死んでもしない片づけのルール【基本】
- 2章 死んでもしない片づけのルール【場所別変】
- 3章 死んでもしない「収納」のルール
- 4章 死んでもしない「掃除」のルール
- 5章 「コンパクトな暮らし」のルール