ライフオーガナイザーの香村 薫さんの『トヨタ式 家事シェア』は、家族を巻き込む時短家事・片づけワザをテーマにした本です。
「私だけが家事をしていて大変だし、イライラする」
「どうしたら家族に家事を分担してもらえるのかわからない」
そんな人は、この本に書いてあることを実践して「一人だけイライラ」にさよならしましょう!
【要約】トヨタ式 家事シェア
『トヨタ式 家事シェア』は、「ムリ、ムラ、ムダ」を省くトヨタ式のルールを家事に当てはめ、家族全員が片づけ・家事がしやすい生活を実現する方法を解説しています。
著者の香村さんは、結婚前トヨタグループのナビ専門メーカー・アイシンAWに入社し、商品企画などを担当していたそうです。
そこで学んだのは、ムリ(能力を超えた計画)、ムラ(偏りがあり仕上がりにバラつきがある状態)、ムダ(余計な動作など)を減らすことで、業務効率がアップすること。
香村さんは、この考え方(トヨタ式)を以下のように家庭にも応用しました。
- ムリしない→家族に分散
- ムラを見直す→しくみ作り
- ムダをとる→モノ選び
でも、家族に分散できるのは、旦那さんが協力的な人だったからでは?
香村家も、最初から家事シェアがうまくいったわけではありません。家事シェアができるしくみを作り、トライアンドエラーを繰り返してしくみを改善し、みんなが自然に動き出せる状態を作り出していったと言います。
「トヨタ式 家事シェア」を達成するには、3つのステップが重要です。
- Step1 ムラとり…家事のしくみを作り、誰でも同じことができる状態にする
- Step2 ムダとり…家の中のモノを減らし、家事がしやすい状態にする
- Step3 ムリとり…家族への声がけを工夫し、家族が協力しやすい状態を作る
このステップを実践することで、家事の効率がよくなり、最小の家事時間で最大のシアワセが手に入ると香村さんは言います。
毎日すっきりした家で暮らせる「しくみ」作り
Step1のムラをなくす「しくみ」作りには以下のようなことが書かれています。
かつては私も、子どもや夫にイライラしていました。ただ、このまま人のせいにしては前に進まないと考え、そのような状態になる原因に目を向けることにしました。
●子どもの服の脱ぎっぱなし→子ども自身が楽しんで洗濯機に入れるには?
●夫の洗濯の干し方→そもそも洗濯を干すという行為をやめられないか?
●夫の服のたたみ方→服をたたまなくてもよいしくみにできないか?
こうしたことを一気に解決するために、乾燥機能つきの最新ドラム式洗濯機を購入。
『トヨタ式 家事シェア』p.26~27より引用
家電に頼ったり、ルールを加えたりと家事のしくみを根本から見直すことで、家族のイライラを減らし、家事の時間を大幅に短縮することができます。
最新家電は決して安くはありませんが、家事の削減効果は大きく、導入することでたくさんの時間を生み出してくれる費用対効果の高い買い物です。カジコレでも以下記事で紹介しています。
続けて、Step2のムダをなくす「モノ選び」と「時短」から引用します。
…いちばん時短に効果的だったのが「モノを減らす」ことでした。
モノを持っている状態というのは
●置き場所を考える
●使い方を考える
●なくしたら探す
●手入れをすると、時間が発生してしまいます。
家事シェアを進めるためには、しくみを見直すことと並行して、モノを見直し、時短を意識したモノ選びが必要です。
『トヨタ式 家事シェア』p.28~29より引用
ガスコンロや鍋を使わず、「ヘルシオ ホットクック」のような油の飛び散らない自動調理鍋を使うのも一つの方法です。掃除の手間が大幅に減りますし、スイッチオンすれば完成までの間キッチンを離れても問題ありません(=自由な時間ができます)。
このように、本書には香村さんが仕事をしながら3人の子どもを育てているのに、毎日すっきりした家で暮らせる「しくみ」が具体的に書かれています。感情論ではなく、ロジカルに説明がされているので、なるほど!と納得しながら読み進められる本です。
【感想】一人でイライラしている女性におすすめ
『トヨタ式 家事シェア』は、家事を一人で抱え込んでいっぱいいっぱいになってしまっている女性に特におすすめの一冊です。
「家事シェアって言っても、うちの家族が協力してくれるとは思えない」
「きっとうまくやれないだろうし、自分でやったほうがマシって思っちゃう」
そんなふうに思っているなら、本書の内容に解決の糸口が見つかるかもしれません。
上の引用部分には「トヨタ式 家事シェア」の根幹にある考え方を抜き出しましたが、後半にはもっと具体的なやり方や声がけ例が載っているので、「よし、これを試してみよう」と思えそうです。
共働き世帯で、「自分の時間を確保したい!」と思っている人は読んでみてください。
もくじの紹介
Amazonから引用した本書のもくじは以下の通りです。
- Part1:家事シェアの大原則「ムリ、ムラ、ムダ」を省く
- Part2:ムラを減らす「しくみ」づくり
- Part3:ムダを省く「モノ選び」
- Part4:夫を味方につける「魔法の言葉」
- Part5;子どもの時間を片づける