佐光紀子さんの『“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ』は、過炭酸ナトリウム・重曹・クエン酸の3つの材料でできるシンプルなお掃除テクニックを紹介してる本です。
ナチュラルクリーニングというと”環境にやさしいエコなお掃除方法”のイメージがありますが、この本は、ナチュラル洗剤を使うことで家事の手間をグンと減らす”やめ家事”を提案しています。
【要約】“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ
『“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ』では、過炭酸ナトリウム・重曹・クエン酸の3つの材料でできるシンプルなお掃除テクニックを紹介しています。
ナチュラル洗剤を使うことで家事の手間をグンと減らす”やめ家事”を提案しているのが特徴です。
著者の佐光紀子さんは、翻訳家でナチュラルライフ研究家。とある本の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に目覚め、研究を始めたそうです。
2002年に『キッチンの材料でおそうじするナチュラルクリーニング』を出版し、ベストセラーとなりました。つまり、佐光さんは日本にナチュラルクリーニングを定着させた第一人者です。
重曹やクエン酸は、いまでは100円ショップで買えるほどメジャーですが、当時は薬局でもなかなか見つけられなかったそうです。
「手間なくキレイに」を叶える本
『“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ』は、昔ながらの(いわゆる自然派)の丁寧な暮らしをしたい人のためのものではありません。
タイトルにも“つけ置きでやめ家事“とあるように、令和という新しい時代に合わせて情報をアップデートしたナチュラルクリーニング術が満載で「手間なくキレイに」を叶える本です。
ギトギトの油汚れやしつこいヌルヌルをがんばって落とすよりも、つけ置きで手間をけずにラクに落とせるなら、そのほうがいい……。そんな人に役立つ情報がたくさん掲載されています。
この本のスローガンは、「令和のナチュクリは『手間なくキレイに』でいこう!」。
家事の手間を省く=家事のしすぎをやめる考え方に基づいているので、ラクにやってそれなりの効果がでる掃除方法を知りたい人におすすめです。
「丁寧に・きちんと」と言われると「私には無理かも…」って思っちゃうけど、寝ている間につけ置きしとくだけなら私でもできそう!
掃除の手間を減らしたい人に◎
第1章(基本編)では、過炭酸ナトリウムを含むナチュラルクリーニングの基礎アイテムや使い方を説明しています。「汚れを確実に落とす6つのルール」は、イラスト付きでわかりやすいです。
第2章(実践編)では、アイテムをそろえればその日から使えるレシピを、場所別に紹介しています。
- キッチン:ガスコンロまわり、シンクまわり、食器調理器具、インテリア、家電
- トイレ:便器、ニオイ
- 洗面所:洗面ボウルまわり、グルーミンググッズ、洗濯機
- バスルーム:バスタブ、シャワーまわり、その他
- 番外編:困った汚れを落とす洗濯術
巻末には、ナチュラルクリーニングを始めた人がもちやすい疑問に答える「ナチュラルクリーニングQ&A」も載っています。
この本は「環境のために頑張ってナチュラルクリーニングをしよう」という人よりも、「なるべく手間をかけずラクにきれいな状態を保ちたい、その結果、環境にやさしいなら言うことナシ!」と思っている人におすすめのお掃除本です。
掃除の手間を減らし、キレイな家で心地よく暮らしたい人はぜひ読んでみてください。
過炭酸ナトリウム×つけ置きでラクしてきれい
この本ではお掃除の3大アイテムとして「過炭酸ナトリウム」「重曹」「クエン酸」を紹介していますが、中でも特に推しているのが過炭酸ナトリウムです。
佐光さんは「それまで重曹でこすり落としていた急須の茶渋や、石けんで煮洗いしないと落ちなかったふきんのシミなどが、つけ置きするだけでキレイになる」いいことずくめのパワフルな洗浄剤、と書いています。
この本には過炭酸ナトリウムを使ったいろいろなつけ置きのやり方が載っていますが、お風呂の残り湯でのつけ置きはぜひ真似したいお掃除ワザです。
バスタブは”巨大つけ置きバケツ”
バスタブは”巨大つけ置きバケツ”
バスルームのぬめりや黒カビ対策には、お風呂のあとの残り湯に過炭酸ナトリウムを入れ、バスタブでつけ置きするのがおすすめ。バスタブのフタなども、工夫しながらつけ置きすればカビ知らず! 子供のオモチャやバス小物の湯あかなどもつけ置きしれから軽くこすると、ラクに落とせます。
『“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ』p.20より引用
最後にお風呂を使った人が湯船に過炭酸ナトリウムを入れて、沈められるものを沈めておくだけで、お掃除完了。小物もバスタブも、手間をかけずにすっきりキレイになります。
触りたくないぬめぬめスポットがラクラクきれいに!
触りたくないぬめぬめスポットがラクラクきれいに!
だれもがやりたくないと思う嫌われお掃除スポットといえば排水口。あのぬめぬめは、視覚的にも触覚的にも不快ですよね。そんなイヤな思いから解放してくれるのも過炭酸ナトリウム。過炭酸ナトリウムとお湯さえあれば、ほぼノータッチでスッキリキレイに!
『“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ』p.42より引用
上の文章に続けて、過炭酸ナトリウムとお湯を使った「お風呂場の排水口」「キッチンの排水口」の掃除方法がイラスト&写真付きで解説されています。
ぬるぬるに触らなくても、これだけできれいになるんだ!と思うと、試してみたくなりますね。
ほかにも、換気扇、五徳、魚焼きグリル、オーブントースターなど、ラクにやってそれなりの効果がでる掃除方法がたくさん載っていて、読んでいるうちに試してみたくなること請け合いです。
【感想】家事の面倒くさいをなくしたい人におすすめ
『“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ』は、ナチュラルクリーニングのイメージから連想する「丁寧な暮らし」とは違って、とても合理的な内容でした。
読み手を「丁寧に・きちんと・一生懸命やらなくちゃ」といった呪縛から解き放ち、「できるだけ手間をかけずにキレイにできるなら何の問題もないでしょ!」と思わせてくれる本です。
- 汚れは酸性とアルカリ性に大きく分けられる
- 汚れを落とすことは正反対の性質のもので中和させること
- 重曹や過炭酸ナトリウムはアルカリ性なので、酸性の汚れを落とすのが得意
- クエン酸は酸性なので、アルカリ性の汚れを落とすのが得意
…こんなロジカルな思考に基づいているので、これを覚えれば家事がぐっとラクになります。
ザルの黒ずみを落とすのにをタワシでごしごし洗わなくても、過炭酸ナトリウム水に一晩つけておけばピカピカになる……。これを知っていれば、「一生懸命さ」と「キレイで快適」は切り離して考えられるようになるはずです。
家事の手間をグンと減らす”やめ家事”で暮らしに余裕を作りたいなら、ぜひ読んでみてください。
もくじの紹介
本書のもくじを抜粋します。なお、この本は横書きの本です。
- はじめに
- 2つの汚れを中和させるのがナチュラルクリーニングの基本です
- 賢くやめ家事!ナチュラルクリーニングBIG3
(過炭酸ナトリウム・重曹・クエン酸) - 汚れを確実に落とす6つのルール
- 過炭酸ナトリウムの力を借りて”つけ置きでやめ家事”しよう!
- 場所別レシピ(キッチン・トイレ・洗面所・バスルーム・番外編)
- ナチュラルクリーニング Q&A
- おわりに