唐仁原けいこさんの『主婦業9割削減宣言』は、主婦業なんてできればやりたくない、でも、「自分がやらないと家庭が回らない」「母だから仕方ない」「妻だから仕方ない」…そう思い込んで嫌々やっている人におすすめの本です。
読み終わるころには、「やらなきゃいけないこと」ではなく「やりたいこと」をやれるようになるヒントが見つかることでしょう。
【要約】主婦業9割削減宣言
著者の唐仁原さんは3人のお子さんを持つワーキングマザー。「主婦業9割削減」を目標に掲げて、やりたくない家事に使う時間を大幅に減らし、自分が本当にやりたいことに使える時間とマインドの余白を手に入れたと言います。
時間の使い方を変えるということは、人生が変わるということ。いっぱいいっぱいなら疲れていると言ってよいし、子育て中でも自分の夢を諦める必要はありません。
本書は、本心ではやりたくない主婦業を、みんなが当たり前にやってるんだから私もやらなくちゃと勝手に思い込んでいたワーキングマザーの著者が「主婦業9割削減を目指す」という壮大な目標を立てて臨んだクリエイティブな挑戦の記録です。
「過去の常識」「当たり前」「世間体」を取り払ったときに見えてくる世界は、自分の本当にやりたいことに時間を使える世界です。仕事に打ち込むことも、家族と笑顔で過ごすことも、ゆったりと休息を取ることもできます。
まずは、育児、仕事、家事を全部真面目にやろうとすることをやめること。「私がやらないとまわらないから」と仕方なくやり続けることは、「思考停止」だと唐仁原さんは言います。思い込みを手放し、「どうやったらやめられるか」を考えることが大切です。
『主婦業9割削減宣言』は、具体的な家事のノウハウ本ではなく、考え方をリセットするための本。「そんなふうに考えたことなかった!」「それもアリなんだ!」そんな気づきがちりばめられています。
「そんなことできるわけない」「うちの場合は無理」っていうのも、私が勝手に思い込んでいるだけなのかも。
カジコレ編集部が高く評価した考え方はコレ!
『主婦業9割削減宣言』は、ノウハウ本ではなく「考え方」の本なので、部分的に抜き出すよりも、最初から順を追って読んでいくのがおすすめです。
とはいえ、それだとどんな本かイメージしにくいと思うので、筆者の考え方が色濃く出ていると思われる部分を引用します。
主婦業は結婚したら必ずやらなきゃいけないもの、みたいな文化があるから、婚期が年々遅くなり、少子化に繋がっているのかもしれないと思うと、やりたくない人は堂々と「やりたくない!」と叫んで、それでも結婚生活は成り立つ、と示したほうが、日本の未来に貢献できるのかもしれない、と考えたりします。
女ならこうあるべき
妻ならこうあるべき
母ならこうあるべきこんな”べき”にやっぱりどこかで振り回されながら生きていたんだなと感じるのです。
『主婦業9割削減宣言』p.22~23より引用
”自分は自分”と思っていても、やっぱり世間の目が気になっていた唐仁原さんですが、思い切って「主婦業9割削減宣言」をしたところ、周りの反応が肯定的で、同じように主婦業を削減したいと感じている人が多いことに気づいたそうです。
「主婦なのに主婦業をしないなんてけしからん」という、自分自身の中にあるメンタルブロックを取り外すことが、人生を変える第一歩になります。
動線を良くするだけで、日々の負担は激減します。本当です。
むしろ、動線が悪いと、家は片づきにくいし、負担が5割増しと言っても過言ではないと思うのです。(中略)
…家の中で変えられることはないかを真剣に考えてみることをおすすめします。
なぜなら、動線は1回見直すと、毎日繰り返し行う作業が劇的に楽になるからです。毎日10分の短縮ができると、年間で60時間になります。
『主婦業9割削減宣言』p.66~67より引用
毎日20分なら年間120時間以上です。
全てはチリツモですが、私たちはチリツモな業務に時間を圧迫されているのです。
掃除機をしまう場所、洗濯した衣類を畳んでしまう場所までの距離など、毎日繰り返す作業の距離について「いまのかたちが最適か?」を見直してみると、ムダなことが見つかるかもしれません。
ムダなことが見つかれば、それを削減します。この本で訴えているのは、そうしたムダをなくすことの積み重ねです。
第3章「働く主婦にとって最新家電は投資のしどころ」では、家電の見直しで主婦業が大幅に削減できることが書かれています。
家電購入で自分の時間を買うということに関して言えば、一番簡単に時間を獲得できたのが、ドラム式洗濯乾燥機の導入だと思います。
たいして期待していなかった洗剤の自動投入機能も思った以上に便利で、すでにもう自分で洗剤を入れたくないと思うレベルです。(中略)
改めて感じたのは主婦って「こんなことくらい自分でやる」の積み重ねで時間がなくなっているんだなということ。その作業がなくなってみて、はじめてわかることもあると感じたのです。
これって「9割削減する」という目標がなければ見過ごしていたレベルの主婦業です。「そんなことくらい自分でやる」を手放していくことで新たな世界が見えるかもしれませんね。
『主婦業9割削減宣言』p.117~118より引用
家電の見直しによる主婦業の削減効果のすごさは、カジコレ編集部スタッフも実感済みです。「このくらい自分でやる」を捨てることで、自分の時間が生まれます。
それが、心のゆとりや家族と過ごす時間、あるいは仕事や趣味、勉強に使える時間になるのです。
最新家電は「やりたくないこと」を手放し、「やりたいこと」に使う時間を得ることを助けてくれます。詳しくは「ドラム式洗濯乾燥機のメリットと効果的な使い方を紹介。家事削減力 NO.1!」の記事をご覧ください。
【編集部の感想】思い込みを手放して人生を変えるための本
唐仁原けいこさんの『主婦業9割削減宣言』は、過去の常識や価値観といった「思い込み」を手放し、主婦業を削減して、時間とマインドの余白を手に入れるための本です。
主婦業が苦痛、名もなき家事に追いまくられていつもイライラしている、自分のしたいことが全然できていないと悩んでいるなら、きっと人生を変えるヒントが見つかることでしょう。
第6章の「世界の主婦事情から考える日本の主婦の基準」を読むと、私たちが「常識」だと思っているものが、実はそうではなく、主婦業をやりすぎていることに気づけるかもしれません。
「主婦業を削減なんて無理と思い込んでいたけれど、実はそうじゃなかったかも!」「やめたいことはやめていいんだ」…読み終わるころには、そんな前向きな気持ちになれる本です。
もくじの紹介
『主婦業9割削減宣言』のもくじは以下の通りです(全197ぺージ)。
- 0章 育児、仕事、家事、全部真面目にやるのは無理がある
- 1章 「名もなき家事」が主婦の時間を奪っている
- 2章 主婦業削減の最大の難関!毎食の食事問題
- 3章 働く主婦にとって最新家電は投資のしどころ
- 4章 家族はチーム!家族のモチベーションが鍵を握る!
- 5章 私以外にもいた削減主婦たち
- 6章 世界の主婦事情から考える日本の主婦の基準