クエン酸は、鏡や水回り、電気ケトル、食洗器、加湿器の水垢を落としたり、トイレの尿汚れを掃除したり、生ごみやアンモニア臭の消臭などに使えます。水に溶かしてクエン酸水スプレーにすると便利です。また洗濯では柔軟剤としても使えます。
クエン酸とは
クエン酸は、柑橘類や梅干しなどに含まれている酸味成分の一種です。工業的にはデンプンや糖を発酵させて作られ、食用(食品添加物)と掃除用の二種類が市販されています。
水溶液はpH2.3の酸性で、カルシウムを溶かしたり、アルカリ性の物質を中和したりする働きがあります。
水に溶かしてクエン酸水スプレーにすると、鏡・水回り・電気ケトル・食洗器・加湿器などの水垢、トイレの尿汚れを落とせます。ただし、酸性の汚れである油汚れ・皮脂汚れは落とせません。
また、粉のまま、肉類や、魚の頭・内臓・エビの殻といった生ごみに振りかけると消臭効果があります。洗濯をする時に柔軟剤としても利用できます。
液性 | 酸性(pH2.3) |
特徴 | 水に溶けやすい、無臭 |
手肌への優しさ | 手荒れしやすい人はゴム手袋を使用 |
時短になる理由
- キッチン、お風呂、洗面所など、いろいろな場所の水垢を落とせる
- 加湿器・ポット・食洗機などの内側につく白い結晶(水垢)もこすらず簡単に落とせる
- 便器にクエン酸パックをすれば、頑固なトイレの「尿石」も落とせる
購入のしやすさ
スーパー・ドラッグストアなどの実店舗 | 売っている店が多い |
amazon・楽天などのネットショップ | 売っているサイトが多い |
使用上のデメリット
編集部で実際に使用してみた結果、クエン酸水スプレーは作ってから1~2週間で使い切らなくてはならないことを除き、際立ったデメリットはありませんでした。
こんな人におすすめ
- 環境にやさしいナチュラルクリーニングをしたい人
- 乳幼児やペットがいて、合成化学洗剤を使いたくない家庭
- 家じゅうのさまざまな場所の水垢をラクに落としたい人
- 洗濯で一般的な柔軟剤を使いたくない人(クエン酸は柔軟剤として使う)
おすすめできない人
- 界面活性剤をなるべく使いたくない人
- クエン酸スプレーでくしゃみや咳が出る人
落とせる汚れ
「クエン酸」は食品に含まれる酸っぱい成分のこと。酸性で水に溶けやすい性質を持つので、アルカリ性の汚れである水垢や尿の汚れを落とす洗剤として使えます。
クエン酸が得意な汚れ=アルカリ性の汚れは以下の通り。
- 鏡や水回りの水垢
- トイレの尿汚れやアンモニア臭
- 加湿器・ポット・食洗機などの内側につく白い結晶(水垢)
クエン酸という名前ですが、酢のようなツンとした臭いがなく、揮発性もないので、掃除に使いやすいです。食品添加物としても使われる成分なので、ポットや食洗機にも安心して使えます。
→クエン酸について
特におすすめの用途
クエン酸と塩素系漂白剤を混ぜると有毒ガスが発生するので、混ぜてはいけません。
クエン酸を掃除で使う方法
掃除に役立ちそうなのはわかったけど、どうやって使えばいいの?
クエン酸はアルカリ性の汚れ(水垢や尿汚れ)を落とすのが得意です。ここでは、クエン酸を掃除に使う方法を場所別にわかりやすく解説します。
- 鏡や水回りの水垢を落とす
- 電気ケトル・ポットの水垢落とし
- 食洗器の水垢落とし
- 加湿器の水垢落とし
- トイレの尿汚れの掃除
鏡や水回りの水垢を落とす
クエン酸は粉末で、主に水に溶かして使います。水200mlに対してクエン酸小さじ1杯程度が目安です。
このクエン酸水をスプレーボトルに入れ、お風呂の鏡・蛇口の水垢にスプレーして落とします。
汚れがひどい場合は、クエン酸水を浸したキッチンペーパーで覆って放置する「クエン酸パック」が有効です。クエン酸パックのやり方は以下の通り。
クエン酸パックのやり方
水200mlにクエン酸小さじ1を混ぜ、クエン酸水を作る
クエン酸水にキッチンペーパーを浸し、汚れを取りたい場所に張り付ける
30分~2時間放置する。時間が経つと、汚れがゆるんで落としやすくなります
スポンジなどで、こすって洗い流す
パックを剥がした時点では「あまり変わっていない?」と思うかもしれませんが、水垢がゆるんでいるのでこすって洗い流すとピカピカになります。
電気ケトル・ポットの水垢落とし
電気ケトルやポットの内側にできる結晶は、水に含まれるカルシウムなどのミネラル成分が固まったものです。アルカリ性なので、酸性のクエン酸で落とせます。
満水まで水を入れて、水1リットルに対してクエン酸を大さじ1杯入れます。沸騰させてから2時間放置し、汚れが残っていればスポンジで軽くこすって完了です。
クエン酸が残るとベタつきやサビの原因になるのですすぎはしっかりと行ってください。
クエン酸を使った電気ケトル・ポットの水垢落としの手順は以下の通り。
ポットの水垢の落とし方
水1リットルに対し、大さじ1のクエン酸を入れる
沸騰させてから、そのまま1~3時間放置する
汚れが残っていたら、スポンジなどで軽くこすってから洗い流す
食洗器の水垢落とし
食洗器の水垢落としは、クエン酸大さじ1を入れ、食器を入れずに通常通りに運転するだけです。食洗機専用の洗剤を買わなくても、クエン酸だけできれいな状態を保てます。
加湿器の水垢落とし
水道水を使う加湿器にも水垢が発生します。時間がたつと石灰化して白い塊になってしまうので、気になったら以下の方法で落としましょう。
加湿器の水垢の落とし方
バケツなどに水1~2リットルを入れ、クエン酸大さじ1を溶かす
加湿器のパーツをクエン酸水につけ、1~2時間つけ置きする
スポンジやブラシでパーツを洗い、水で十分にすすぐ
タンクだけでなくパーツに付着した水垢も、このつけ置き掃除ならすっきりと落とせます。
トイレの尿汚れの掃除
尿が便器についたまま放置されると、水分が蒸発して「尿石」になります。はねた尿は便器のフチだけでなく、壁や床にも付着しており、イヤな臭いの原因にもなります。
尿石は水垢と同じアルカリ性の汚れなので、クエン酸で落とすことが可能です。
落とし方は水垢と同じで、水200mlに対してクエン酸小さじ1杯を溶かし、スプレーするか、クエン酸パックをします。クエン酸パックのやり方は以下の通り。
クエン酸パックのやり方
水200mlにクエン酸小さじ1を混ぜ、クエン酸水を作る
トイレットペーパーを汚れの部分に敷き、クエン酸水をスプレーしてひたひたにする
30分~1時間放置する。時間が経つと、汚れがゆるんで落としやすくなります
貼っていたトイレットペーパーで汚れを拭きtる
尿はねが気になるトイレの床や壁の掃除は、クエン酸水スプレーを吹きつけ、乾いたシートをセットしたフローリングワイパーで拭き取ります。
クエン酸で消臭する
クエン酸は、ナチュラル洗剤として掃除に使えるだけでなく、消臭剤としても使えます。
生ごみの消臭
ごみの収集日まで生ごみを置いておくと、いやな臭いがしますよね。生ごみに含まれる水分が細菌を繁殖させるのが原因で、特に気温の高い季節は腐敗が進みやすく、臭いも強くなりがちです。
そんなときはクエン酸で生ごみの臭いを消しましょう。生ごみが腐ってしまう前(臭いが発生する前)にクエン酸を振りかけることで、抗菌作用により臭いが発生しにくくなります。
また、腐って臭いが発生してしまってから使っても、中和作用により臭いを消せます。
悪臭のする生ごみならなんでもクエン酸を振りかければいいの?
どんな生ごみ臭もクエン酸で中和できるわけではありません。
肉類や、魚の頭・内臓・エビの殻といった魚介類から発生する悪臭物質(トリメチルアミン)はアルカリ性なので、酸性のクエン酸で中和することで臭いを消せます。やり方は、ポリ袋などに生ごみを入れた後、大さじ1杯ほどのクエン酸を振りかけて袋の口を閉じるだけです。
また、生ごみのなかでも、野菜くずや果物の皮などが腐ったときに発生する悪臭物質(メチルメルカプタンなど)は酸性なので、肉や魚とは別にポリ袋に入れ、大さじ1杯ほどの重曹を振りかけて袋の口を閉じるとよいでしょう。
肉と魚の生ごみにはクエン酸、野菜くずや果物の皮などの生ごみには重曹と覚えておきましょう!
アンモニア臭
おしっこの臭い(アンモニア臭)は、クエン酸を水に溶かしたクエン酸水スプレーで消臭できます。
これは、クエン酸が酸性、アンモニアがアルカリ性で、混ざり合うことで中和が起きるためです。
トイレのアンモニア臭の主な原因は跳ね返ったおしっこが床や壁に付着したもの。そのため、トイレの床や壁にクエン酸水スプレーを吹きかけて、濡れ雑巾などで拭き取れば臭いを消せます。
おねしょによる布団やカーペットなどのアンモニア臭は、クエン酸水スプレーをたっぷり吹きつけ、タオルなどでしっかり水気を吸い取った後、天日干しにするか、布団乾燥機で乾燥させます。
しっかり乾燥させないと、残った水分によって布団やカーペットの中で雑菌が繁殖し、アンモニア臭とは別の悪臭の原因になるので、乾燥は念入りに!
市販のアルコール除菌消臭スプレーではアンモニア臭は消せません。アンモニア臭にはクエン酸水スプレーと覚えておきましょう。
猫の強烈なおしっこ臭(マーキングのおしっこ臭を含む)にも、クエン酸水スプレーは効果的です。臭いが気になるところにスプレーして、クロスやペーパータオルなどで拭き取りましょう。
布のソファーやクッションなどおしっこがしみ込んでしまう場所は、クエン酸水スプレーをしてしばらく置いてから水拭きをします。おねしょ布団同様、しっかり乾かすようにしてください。
クエン酸を洗濯で柔軟剤として使う
クエン酸は、洗濯で柔軟剤の代わりに使えます。ナチュラルお洗濯をしている方の間では、クエン酸を柔軟剤として使う方法は有名です。
洗濯洗剤のほとんどがアルカリ性なので、酸性のクエン酸と混ぜると中和されます。この中和作用により、衣類の繊維が硬くなるのを防いでなめらかな仕上がりになるのです。
クエン酸を柔軟剤として使うメリットはいくつもあります。
一般的な柔軟剤は繊維をコーティングすることで柔軟効果を得るため、使うとタオルや肌着の吸水性が落ちますが、クエン酸は吸水性を保ちながら柔軟効果を得られます。繊維に残った洗剤を取り除く効果があり、洗剤残りによる黄ばみも防いでくれます。
酸性なので雑菌が増殖しにくく、生乾きの臭いが起こりにくいです。一般的な柔軟剤と比較すると肌に優しくいです。無臭なので柔軟剤の香りが苦手な方にも使いやすいでしょう。
クエン酸を柔軟剤として使う方法
ドラム式洗濯乾燥機でも縦型洗濯機でも、水30Lに対して小さじ1くらいの量を水約50ccに溶かして柔軟剤投入口に入れるだけです。
クエン酸の代表的な商品
名称 | クエン酸 | 暮らしのクエン酸 | クエン酸の激落ちくん | クエン酸 |
メーカー (販売店) | シャボン玉 | ミヨシ | レック | 無印良品 |
内容量 | 300g | 330g | 300g | 220g |
参考価格 | 550円 | 380円 | 498円 | 499円 |
100gあたりの価格 | 183円 | 115円 | 166円 | 227円 |
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クエン酸について
名称 | クエン酸 | |
pH | 2.3(酸性) | |
使いみち(掃除) | 水に溶かし、酸性洗剤として水垢・尿汚れを落とす | |
特徴 | 水に溶けやすい 無臭 | |
保存方法 | 常温で保存できる。湿気を吸うと固まるので、密閉容器を使うとよい 金属製の容器は避ける 水に溶かした場合は、1~2週間で使い切る | |
その他 | 食用(食品添加物)と掃除用がある。食用は掃除に使えるが、掃除用は食べない方がいい 水がしみ込む「白木」や、酸で溶ける「大理石」には使えない | |
注意事項 | 塩素系の漂白剤とは混ぜると有毒ガスが発生する |
クエン酸は皮脂汚れや油汚れなどは落とせませんが、水垢や尿汚れを落とすのが大得意! 水回りの掃除に活躍してくれます。